「昔も今も現経営者が苦労をして築きあげた事業を時代に引き継ぐ『事業承継』は大きな課題となっています。」と述べている小冊子があります。
本日紹介するのは、英傑育成講座 代表の神尾弘和さんが書いた、こちらの小冊子です。
神尾弘和『徳川三代に学ぶ 成功する事業承継』(日本マネージメント・リサーチ)
この本は、徳川三代の事業承継の事例をご紹介しながら、「ヒト」の面において現経営者が正しい承継を行うために必要なポイントを記した書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.はじめに
2.事業承継における後継者の不安とは?
3.事業承継を正しく行うポイント
4.江戸幕府繁栄の基礎を築いた徳川三代の事業承継
5.おわりに
この本の冒頭で著者は、「ではなぜ、後継者は事業を承継する『覚悟』を持つことができないのでしょうか?」と問いかけ、「実は日本の歴史上でもその点で同じ課題を持ちながら事業承継を成功させた人物がいます。」として、260年日本を支えた徳川幕府を作った徳川家康の名を挙げています。
本書の前半では、「事業承継における後継者の不安とは?」について、以下の3つのポイントを挙げて説明しています。
◆ 自分が後継者としてつとまるのか?
◆ 事業内容が現代に合っているのか?
◆ 引き継いでメリットはあるのか?
この中でとくに3番目のメリットは「価値観」という言葉に置き換えることができ、最も大きな不安になる、と解説しています。
この本の中盤では、「事業承継を正しく行うポイント」について考察しています。要点は次の通りです。
◆ 現経営者(創業者)の「思い」を承継する
◆「思い」とは、①なぜこの会社は存在するのか、②なぜこの会社が社会に必要なのか、③続けることでどんな未来が得られるのか、の3点
◆ 後継者の価値観と「メリット」
◆ 後継者が一番大切に考えていることは何か、後継者にとって「価値あるもの」が得られるか、③後継者が覚悟を決める瞬間
本書の後半では、「江戸幕府繁栄の基礎を築いた徳川三代の事業承継」について解説しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 会社の現況に即した後継者選抜
◆ 企業価値(思い)の継承
◆ 段階的な権限移譲とサポート体制
◆「ヒト」から「制度」への移行
詳細についてはぜひ本小冊子を読んでほしいのですが、徳川家康が後継者の二代目将軍として三男の「秀忠」を選んだのは、性格が温厚で「平和」な時代に向いていると判断したためです。
「長く続いた戦乱の世の中を二度と繰り返さない太平の世を実現する」ことこそ徳川幕府が社会に存在する価値であり「使命」であるとの「思い」を強く持っていたのが家康です。
そして秀忠においても「思い」はまったく同じでした。この家康から秀忠への「思い」が正しく引き継がれたことが、徳川幕府が260年の間、日本の経営者たり得た最大の要因である、と著者は言います。
この本の締めくくりとして著者は、「つい事業承継と言うと、『法律』や『資金』などの手続き面に目が行ってしまい、『後継者の気持ち』については重要視されない点があります。」と指摘しています。その点は「親族だから」と言う理由だけで後継者選びなどに表れている、と著者は言います。
しかし、承継する側の後継者も「感情」を持った「ヒト」であり、事業承継を正しく進めるためには後継者が覚悟を持って事業を引き継げるように現経営者は全力でサポートしなければならないのです。
神尾弘和さんが主宰する「英傑育成塾」はこちらから。
あなたも本冊子を読んで長きにわたり日本を支えた国川幕府の礎を築いた「徳川三代」の事例を参考に、正しい事業承継を行い、永続する会社をつくっていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2808日目】