「チームで何かを成し遂げる醍醐味は、“ 一人では不可能なことを可能にする ” ことです。」と説いて、良質なチームワークを築く24の方法を説明している本があります。
本日紹介したいのは、同志社大学を卒業後、日本航空株式会社に入社し、Dream Skyward 賞を受賞して皇室チャーターフライトの選抜メンバーにも抜擢された後、客室教育訓練室サービス教官として1000人以上の訓練生を指導してきた七條千恵美さん(株式会社GLITTER STAGE 代表取締役)が書いた、こちらの書籍です。
七條千恵美『ザ・チームワーク 良質なチームワークを築く24の方法』(アルファポリス)
この本は、著者がアルファポリス社から依頼を受けて連載していたWebビジネス記事を書籍化したもので、元CAが書く「おもてなし」や「マナー」といった定番の「目に見える部分」ではなく、「チームワーク」という「目に見えないもの」をテーマとしています。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.よい仕事をするチームが実践している6つの心がけ
2.大切なのはメンバー同士が情報を共有すること
3.ミスが少ないチームに共通している6つの特徴
4.目標は全員が「強くて優しい “ 個 ” 」になること
この本の冒頭で著者は、「メンバーが気持ちよく協力し合えるのがチームワーク」で、個々人が周囲からの「協力・共感・応援」を引き寄せられる人かどうかがポイントだ、と述べています。
つまり、人の心を動かすのは能力ではなく、取り組み姿勢だ、と本書では説明しています。仕事上のスキルはおぼつかなかったとしても、ひたむきに目の前のお客さまや仕事に向き合う姿勢や「一生懸命さ」が、多くのお客さまや仲間からの応援を引き寄せるのです。
また、良い仕事をするチームが実践している「質の高いチームワーク」として、次のような事柄を挙げて説明しているのが印象に残りました。
◆ ミスをしたときに、再発防止の観点で情報を共有してミスを分析する
◆ 駆け引きのない美しい心を持っている人は本当に周囲から応援される
◆ 新人、中堅、リーダーの役割が明確になっている
◆ 企業理念を大切にしたマニュアルの運用をする(マニュアルの行間を読む)
◆ チームを構成する一人ひとりが強く優しい「個」である
次に、本書で定義している「仕事のできる人」は、明快で説得力があります。以下の5つです。
1.行動力がある人
2.失敗から学ぶ人
3.感謝の気持ちをもっている人
4.時間を守る人
5.個人の評価よりチーム全体の成果を考えられる人
これらの5つともが揃う人はなかなかいませんが、確かに「仕事ができる人」の定義として、納得感があります。
本書の中盤では、一般に言われる「報連相」に加えて、「情報の共有」の大切さを説明しています。そして、仕事の「バトンを渡す」、すなわち、「仕事の引き継ぎ」に対する意識の重要性を著者は説いています。
つまり、自分が仕事をするときには、自分の前を走ってくれた仲間への感謝を忘れないこと、そして、次を走る仲間には、受け取りやすいバトンを渡す配慮を忘れないことが大切なのです。
これ以外にも、基本的なこととして、次のような「当たり前のこと」を徹底する重要性も本書では説明しています。
◆ 時間の無駄をなくす
◆ 使ったモノを元へ戻す
◆ 報告をすることが仲間への思いやり
◆ 他人を助ける気持ち
◆ 気づいたことをメンバーに伝える
また、以下の「チーム育成」の3つの要点も必ず覚えておきたい、と著者は指摘しています。
1.ゴールに対する意識のリマインド
2.チームリーダーがメンバーと同じ目線に降りる
3.育成者はチームメンバーの変化に敏感であれ
本書の後半では、ミスが少ないチームの特徴や、チームワークの原点と本質について解説されています。
とくに次のような「チームワークの原点」は参考になります。
1.一人ひとりが自律した強く優しい「個」であること
2.今の自分のベストを尽くすこと
3.目指すゴールをチームで共有していること
4.仲間への敬意とチームに在籍していることへの感謝
この本ではこれ以外にも、著者がCAおよび訓練生の教官として実際に体験したエピドードや、そこから学んだことが数多く記されていて、説得力があります。
あなたも本書を読んで、「このチームでよかった」とメンバー全員が思えるチームをつくるためにリーダーが覚えておきたいことを学んでみませんか。本書を「リーダー必読の1冊」として、心から推薦します。
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では、今日もハッピーな1日を