転職に必要なのは「情報」でも「スキル」でもなく、確かな「判断軸」である、と提唱している本があります。
本日紹介するのは、就職氷河期に博報堂へ入社した後、ボストンコンサルティンググループを経て、2016年以降、ハイクラス層を対象にした人材ポータルサイトを運営するワンキャリアに参画した北野唯我さんが書いた、こちらの書籍です。
北野唯我『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』(ダイヤモンド社)
この本は、新卒で入った会社からの転職を考え始めた30歳若手会社員の青野が、経営コンサルタント・黒岩仁に「転職の思考法」を学ぶ物語形式の書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.このままでいいわけがない。だけど・・・ 「漠然とした不安」の正体
2.仕事の「寿命」が切れる前に、伸びる市場に身を晒せ 「一生食える」を確保する4つのステップ
3.「転職は悪」は、努力を放棄した者の言い訳に過ぎない 「組織の論理」が人の心を殺すとき
4.あなたがいなくなっても、確実に会社は回る 残される社員、ついてくるパートナーとどう向き合うか
5.仕事はいつから「楽しくないもの」になったのだろうか? 心から納得のいく仕事を見つけるために必要なこと
この本の冒頭で著者は、「転職に必要なのは、情報ではなく『思考法』である」と述べています。
そして、「一生食える」を確保するために、次の4つのステップを紹介しています。
1.自分の「マーケットバリュー」を測る
2.今の仕事の「寿命」を知る
3.強みが死ぬ前に、伸びる市場にピボットする
4.伸びる市場の中から、ベストな会社を見極める
この中で最初の「自分のマーケットバリュー」については、以下の3つの要素の掛け算で決まる、と本書では解説しています。
◆ 技術資産(専門性と経験)
◆ 人的資産(人脈、どんな人間とも仲良くなれ、かわいがられる力を持った人間)
◆ 業界の生産性(平均一人当たりが生み出す価値)
以上の中で著者は、特別な才能を持たない人間にとって、最も大切なのは、どの場所にいるか、つまりポジショニングだということです。
そしてマーケットバリューを高めるには、20代は専門性、30代は経験、40代は人的資産でキャリアをつくれ、と著者は提唱しています。
続いて、伸びる業界の中でベストな会社を見極めるポイントは、次の3つで考えるのがよい、とこの本では説明しています。
◆ マーケットバリュー
◆ 働きやすさ
◆ 活躍の可能性
また、ベンチャーについては、いいベンチャーを見極めるポイントは以下の3つです。
1.競合はどこか、競合も伸びているか
2.現場のメンバーは優秀か
3.同業他社からの評判は悪くないか
この本の中盤では、転職の際に多くの人が使う転職エージェントについて、いいエージェント五箇条を、次の通り挙げています。
1.どこがよかったか、入社するうえでの懸念点はどこかをフィードバックしてくれる
2.案件ベースでの「いい、悪い」ではなく、自分のキャリアにとってどういう価値があるかという視点でアドバイスしてくれる
3.企業に、回答期限の延長や年収の交渉をしてくれる
4.「他にいい求人案件はないですか?」という質問に粘り強く付き合ってくれる
5.社長や役員、人事責任者などとの強いパイプがあり、彼らとの面接を自由にセットできる
さらに、企業を選ぶ際の確認ポイントとして、次の2点を挙げています。
◆ 中途を生かすカルチャーはあるか
◆ 自分の職種が、会社の強み(エンジン)と一致しているか
この本の後半で、パートナーが転職に反対を示したときに必要なこととして、以下の3つを上げています。
◆ ロジック
◆ 共感
◆ 信頼
この本の最後に、仕事を楽しいものにするために大切なことを、次の通り説明しています。
◆ 仕事の楽しさは「緊張と緩和のバランス」が決める
◆ 自分にラベルを貼り、コモディティから脱出せよ
◆ キャリアとは結局、デザインだ
◆ デザインとは、ある判断軸に基づいてやるべきか、やらざるべきかを選ぶこと
◆ すべての働く人が「いつでも転職できる」という交渉のカードを持てば、結果、今の職場も絶対によくなる
あなたも本書を読んで、「転職の思考法」を身につけてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!