書評ブログ

定年前起業への道 ~ 40代・50代の転職で大切なこと(その1)

『定年前起業への道~57歳からの挑戦!』第28回は、「40代・50代の転職で大切なこと」をテーマとして採り上げます。

 

 

私は、40代で2回の転職、50代で1回の転職を経験しています。計3回の転職をした時の活動状況、心の動き、転職した後の状況(=当初の想定と違っていたことなど)を中心に、今日から3回に分けて書いてみます。

 

 

 

≪ 転職の35歳限界説について ≫

 

 

「転職は、35歳までが限界で、その年齢を過ぎると、極端に求人が減る」ということが、人材マーケットでは昔から、まことしやかに語り継がれています。

 

 

その35歳限界説は、果たして本当でしょうか?私の結論は、「35歳を境に求人の質が変化するだけで、限界ということはまったくない」ということです。

 

 

但し、「求人の質の変化」は生半可なものではなく、職を求めるあなたに、「大きな発想の転換」を求めます。

 

 

 

まず35歳までの中途採用について、会社は次のような人材ニーズを持っています。

 

 

◆ 明るくて健康で規律正しい (体育会系運動部は歓迎!)

 

◆ 「コミュニケーション能力」があり、周囲との協調性に問題がない

 

◆ 困難な状況におかれても粘り強く努力し、何かを成し遂げた経験・実績がある

 

◆ 転職の理由が明確かつ前向きである (前職・現職の職場でのトラブルがない)

 

◆ 何かひとつ自信を持ってアピールできる自分の強みを簡潔に伝えられる

 

 

業種や職種を問わず、また企業規模の大小を問わず35歳までの中途採用ではどの会社も求める人材ニーズは以上のようなもので共通しています。

 

 

こうした条件は、実は新卒採用の条件と殆ど同じで、4番目の「転職の理由が明確かつ前向きである (前職・現職の職場でのトラブルがない)」を除けば、まったく同じ、と言ってもいいくらいです。

 

 

 

日本の新卒の就活マーケットの特徴と歴史的な変遷については、以下の書籍に詳しいので、ぜひ参考にしてください。

 

 

常見陽平『「就活」と日本社会』(NHKブックス)

 

 

この本の書評は、2015年4月7日付ブログに掲載しています。興味のある方は、こちらのリンクからどうぞ!

 

 

http://bit.ly/1GZAeCc

 

 

何がポイントか、と言うと、35歳までの若手の応募者は「自分の希望や適性が受ける会社とマッチしていなくても採用される」ということです。

 

 

採用する企業側から見れば、「35歳までの若手人材ということなら、入社後に教育すれば(鍛えれば)何とか使える」ということになるわけです。

 

 

したがって、受かる人間はどんな会社を受けても受かるし、ダメな人間は全て落ちる、という二極化が起こるのが、若手人材の中途採用マーケットの真実の姿です。

 

 

でも実はこれ、新卒採用のマーケットと殆ど同じです。就職活動がネットを中心に行われるようになって以降、「二極化」という傾向は加速しています。

 

 

 

「二極化」については、こちらの書が参考になります。

 

 

横瀬勉『人事のプロは学生のどこを見ているか』(PHPビジネス新書)

 

 

書評は、2014年2月19日付ブログに掲載しています。こちらのリンクからどうぞ!

 

 

http://bit.ly/1f9vzTV

 

 

 

≪ 5,000名の応募者から100名を中途採用してみて分かったこと ≫

 

 

実は、私は最初に転職をした2番目の会社で、金融ベンチャーの組織立ち上げの仕事(いわゆる「創業メンバー」というやつです!)をしていて、100名の中途採用を短期間に行うという、「実に稀な経験」をしました。

 

 

100名の求人に対して、何と5,000名もの応募が集まりました。1年後には「開業」しなくてはいけないので、採用にばかり時間をかけてはいられません。

 

 

金融ベンチャーといっても資本金は1,000億円バックには大手資本がついていて、ビジネスパートナーなど関係先も一流企業ばかりという状況でしたので、人気殺到ということになりました。

 

 

私は法人営業部門の責任者(グループ長)という立場だったので、応募者の約4割、2,000名の履歴書を見て書類審査をしました。

 

 

 「2,000名の履歴書を見て分かったこと」は、35歳までの応募者は、「担当者」ポストでの応募なので間口が広く、それを超える年齢の応募者は、「特定の管理職ポスト」を想定するので、「マッチングが難しい」ということです。

 

 

この人事の仕事を経験して、私は「中途採用マーケットの本質」を身に染みて理解しました。中途採用のニーズとしては、当然、即戦力を求めるのですが、35歳までの若手は、いろいろな「使い方」の可能性を探れるのです。

 

 

それに対して、35歳を超える人材は、「求める職務能力」と「応募者のスキル」のマッチング(適性の合致)が何よりも求められます。これが難しいのです。

 

 

 

では実際に、どういう人材が採用され、どういう人材はダメなのか、自分の場合も含めて次回にお話したいと思います。

 

 

 

2015年11月1日の「定年前起業」まで、あと139日です。皆さまの温かい励ましと応援をどうかよろしくお願いいたします。