「世の中には老後不安があふれています。特に最大の不安はお金に関するものです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、大手証券会社で25年にわたって個人の資産運用業務に従事、2001年に確定拠出年金法が施行される前から確定拠出年金ビジネスに携わってきた業界の草分け的存在で、現在は経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表の大江英樹さんが書いた、こちらの書籍です。
大江英樹『「定年後」の ”お金の不安” をなくす-貯金がなくても安心老後をすごす方法 』(総合法令出版)
この本は、老後を不安に感じる最大の理由は、現役の人にとって、それが「誰も経験したことのない未知のこと」だから、と述べて、「わからないこと」の中味を分かりやすく解説している書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.人生100年、でもお金がない
2.年金は破綻しないのか?
3.「収入」よりも「支出」が大事
4.働くことで老後不安は解消
5.資産運用を考える
6.人生100年時代、本当に大切なことは
この本の冒頭で著者は、「金融機関やマスコミが老後不安を煽る元凶である」として、「老後は1億円必要」とか「定年時に3000万円ないと老後は破綻する」といった俗説を斬り捨てています。
そして、年金だけでも生活できるとして、2012年にぱる出版から刊行された次の本を紹介しています。
中町敏矢『あんしん・お気楽! 年金15万円のゴージャス生活』(ぱる出版)
この本の著者の中町さんは、執筆当時64歳で、現在は71歳、サラリーマン時代に培った経理の知識で地味な暮らしを続けているそうです。
こうした本の知恵も活用しながら、人生後半戦のポイントとして、大江英樹さんは以下の3つを挙げています。
◆ 支出を見直すこと
◆ 可能な限り働き続けること
◆ 公的な保障の仕組みをよく知っておくこと
続いて本書では、年金は破綻しない「保険」の仕組みであること、「収入」よりも「支出」が大事であること、働くことで老後不安は解消することを説明・提唱しています。
この本の後半では、資産運用について記されていて、シニア投資の「3つの大原則」を以下の通り、提示しています。
1.一度に投資しない
2.わからないものに投資しない
3.うまい話には乗らない
本書の最後で著者は、人生100年時代、本当に大切なこととして、以下の3つを挙げています。
◆ 価値観を変える(「ねばならない」からの解放)
◆ オフィスワーカーからオフィスプレーヤーへ、60歳からの働き方改革
◆ 60歳からは、つながりを大切に
加えて、人生の目的は「幸せになること」と著者は言い、健康、友人や家族とのつながり、趣味、社会への貢献、お金のいずれもがバランスよく備わっていることが大切だ、と提唱しています。
そして、定年後を安心して暮らすために必要なことは、以下のたった3つしかない、と締め括っています。
1.生涯にわたる収支をざっくりと把握しておくこと
2.元気で働けるうちは働き続けること
3.お金に関する基本的でシンプルなルールを身につけておくこと
定年後の不安については、昨年2018年4月に出版した拙著『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)を併せて読まれると、さらに理解が深まるのでお薦めです。
あなたも本書を読んで、「定年後」のお金の不安をなくしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!