「定年退職後こそ、クリエイティブに、好きな研究、夢や目標に向かって打ち込むチャンスである。これまでの仕事や人生で得た経験が、意外な組み合わせによる新しい発想や、本質を見抜く眼力に通じる。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1956年生まれ、慶應義塾大学法学部を卒業後、南カリフォルニア大学修士課程、さらに博士課程を修了し、現在は大阪商業大学学長の谷岡一郎さんが書いた、こちらの書籍です。
谷岡一郎『定年後の知的生産術』(ちくま新書)
この本は、時間的・金銭的余裕が比較的あるシニア世代の大きなアドバンテージに注目し、とりわけ、過酷な競争環境下に置かれていた「団塊の世代」を、知的生産に生きがいを感じる人々の筆頭として、「クリエイティブ・シニア」と呼んで紹介・分析している書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.なぜ団塊の世代が、日本を先導するのか
2.成功している人の時間にはメリハリがある
3.民間パワーは権威を駆逐していく
4.知と知が手を結ぶとき-行間の解読といらない情報
5.著作への道-まず「やってみる」という近道
6.本物を知る世代の新たな冒険
この本の冒頭で著者は、「団塊の世代」と呼ばれる世代は比較的元気で、引退後に多くの時間を持ち、そして経済的にも余裕があるケースが多く見られる、と述べています。
そして厳しい競争環境下で、エキスパート型教育をくぐり抜けてきたので、学ぶ楽しさも身を持って知っている、と解説しています。
以上の団塊の世代の一定割合の人々は、実社会で高い地位に就くことができた知的エリートで、次のような特徴を持っているそうです。
◆ オールラウンド型の知識では若い世代に負けることはあっても、「これだけは負けない」という少数の得意科目を持つ
◆ 学ぶ楽しさを知っている
◆ 経済的に比較的余裕がある
◆ 競争に打ち勝ってきた経験を多く持つ
◆ 人生(キャリア・家庭・その他)を通じて、新しい価値観にチャレンジした経験がある
◆ 新しい知見を吸収し、かつ消化する意欲と能力を持つ
本書の中盤以降では、時間のメリハリ、とくに知的活動の時間や、楽しさを感じること、知に対する愛着などについて説明がなされています。
さらに、民間パワー、知と知が結びつくこと、著作への道として、15分スピーチでエッセンスを話すことなどが紹介されています。
最後には、人生は「自分で考え、自分で決断を下す」ものであるという基本哲学が紹介されています。
この本は現在、書店で私の新刊著書『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)と並べて置かれていることも多く、共通のコンセプトで書かれているので、併せてお読みいただくと、さらに大きな示唆が得られるでしょう。
あなたも本書を読んで、定年後の知的生産術について、考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を