「定年後は何かしなきゃ、生きがいを持たなきゃ病」の呪縛を解く、と提唱している本があります。
本日紹介するのは、洋書輸入会社に34年間勤務の後、定年退職して70歳になった勢古浩爾さんが書いた、こちらの新刊新書です。
勢古浩爾『定年バカ』(SB新書)
この本は、続々と出版されている定年本に触発され、定年を取り巻く環境は少しずつ変わってきているものの、老後資金、健康、生きがい(仕事、趣味)、孤独などの基本的問題は、時代を通してほとんど変わらない、と述べています。
そうした本を紹介しながら、著者は、定年後どう生きたらいいかについては、次のひと言で足りる、と提唱しています。
「自分の好きにすればよい」
そして著者自身は、「何もしなくてもいい」と考えていて、「何もしていない生活」を気に入っているそうです。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.定年バカに惑わされるな
2.お金に焦るバカ
3.生きがいバカ
4.健康バカ
5.社交バカ
6.定年不安バカ
7.未練バカ
8.終活バカ
9.人生を全うするだけ
この本を読むと、定年前後まで齢を重ねた人たちの間でも、いかに人々の価値観が多様なのか、ということを再確認させられます。
定年後の生き方を論じた本は、本書でも巻末に39冊の「定年関連本」評価一覧が掲載されていますが、それぞれの著者の見方、考え方はある部分は共通するものの、多くは異なっており、本書の著者・勢古さんの考え方もまた独特で、紹介されている本の見解とはかなり違っています。
本書の中で著者は、そんなに無理して、お金、生きがい、健康などを求めて悩んだり一生懸命にならなくてもいい、なるようになる、と説いています。
あまりに定年後の不安を煽って、懸命に焦る人たちを、「定年バカ」と呼び、それぞれのテーマごとに「生きがいバカ」「健康バカ」「社交バカ」「定年不安バカ」「未練バカ」「終活バカ」と称して、著者なりの考え方で斬っています。
定年関連本に対する評価も、勢古さんの「定年後」に関する考え方も、私とはかなり異なりますが、数多くの参考になる見方、考え方が紹介されていますので、以下にポイントを挙げておきます。
◆ 定年後こそ青春というバカ
◆ 市民講座などにつられない
◆ 「ライフシフト」なんかどうでもいい
◆ 定年はだれにとっても初めての経験
◆ お金の不安は解消しない
◆ 退職金や年金の平均額を知っても無意味
◆ 定年後いくら必要かを決めるのは自分
◆ 二十年が一度にやってくるわけではない
◆ なにもしない自由
◆ 健康診断は受けない
◆ 「長生き」なんかどうでもいい
◆ 健康寿命もまたただの数字
◆ 「ひとり」がそんなに寂しいか
◆ 社会と「つながり」たがるバカ
◆ 「地域デビュー」なんかしないほうが互いの幸せ
◆ 定年の準備などできるわけがない
◆ 切羽詰まらなければ本気になれない
◆ 旧職の地位にしがみつくバカ
◆ まだ「現役」と言いたがるバカ
◆ なんのために60年も生きたのか
◆ 千人いれば千の自分の「意味」がある
◆ 好きにするしかない
◆ 自分にとっての意味さえあれば
◆ 負けたときにこそ人間の品格
◆ たかが定年
最後に、この本の巻末に掲載されている「定年関連本」評価一覧の39冊で、私が読んで良かった書籍(本書の評価とはかなり異なります)を参考までに、以下に紹介します。
このほかにも、「定年関連本」で参考になる良書は多くありますが、また別の機会に紹介させていただきます。
あなたも本書を読んで、定年後に続く20年、30年、あるいはそれ以上の年月の生活について、じっくりと考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を