「家族機能が低下し、どのように支え合いの仕組みを作っていくのか。今、日本は、その岐路に立たされている。」と、単身急増社会の現実に警鐘を鳴らしている本があります。
本日紹介するのは、みずほ情報総研の社会保障 藤森クラスター主任研究員の藤森克彦さんが書いた、こちらの書籍です。
藤森克彦『単身急増社会の希望 支え合う社会を構築するために』(日本経済新聞出版社)
この本は、なぜ単身世帯が増加するのかを、とくに中年層(50代男性)や高齢者(80代以上女性)の単身世帯が急増する要因を分析し、今後の単身世帯数の変化に対する社会の対応策について提言をしています。
著者の結論は、大家族に戻ることが現実的ではない以上、単身世帯の増加に対しては、以下のような「支え合う社会」にしていくした方法はない、ということです。
1.社会保障の機能強化
2.地域づくり
3.働き続けられる社会の構築
以上の中で、私自身は自らが自衛としてできることは、「働き続けること」、すなわち「生涯現役」の生き方しかない、と考えています。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.単身世帯の実態
2.類型別にみた単身世帯の考察
3.単身世帯のリスクに対して求められる社会の対応
この本は、7年前の2010年に、刊行された同著者の『単身急増社会の衝撃』(日本経済新聞出版社)をベースにして、総務省「平成17年国勢調査」に基づくデータを、「平成27年国勢調査」に基づくデータに修正し、その後の単身世帯の変化の実態を反映させて改訂したものです。
また、改訂後の本書では、著者が冒頭に指摘している、次の単身世帯急増の事実に驚かされます。
◆ 単身世帯の割合は、1985年の7%が、2015年には15%と、30年間で2.2倍の比率に急増
◆ とくに50代男性は、1985年の5%が、2015年は18%に上昇
◆ また80歳以上女性は、1985年の9%が、2015年は26%に上昇
こうした中で、単身世帯をさまざまな角度から分類、分析して、そのリスクを整理し、社会としてどのような対策を立てるべきかを本書では論じています。
例えば、次のような切り口をテーマとして整理しています。
◆ 単身世帯の増加の実態、都道府県別の特徴
◆ 勤労世代の単身世帯のリスク
◆ 高齢単身世帯のリスク
◆ 単身世帯予備軍について
◆ 海外の単身世帯との比較(米国・ドイツ・スウェーデン)
◆ 単身世帯と住まい
◆ 単身世帯と地域づくり
◆ 単身世帯と就労
◆ 高齢世帯において判断能力低下のリスク
◆ 社会保障の機能強化と財源
本書の最後には、参考文献や索引が付されていて、参考になります。
あなたも本書を読んで、単身急増社会における実態分析と、その対応策について、真剣に考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を