「私がインターフェロンに興味を持つのは、生体の防御機構の中で、それが重要な柱である、との認識を持ち続けていることによる。」と述べて、インターフェロンの効用を解説している本があります。
本日紹介するのは、1901年東京生まれ、東京帝国大学理学部物理学科卒、同大学院修了後、多くの大学で教鞭を執り、還暦を機に医学にも造詣を深めて、「分子栄養学」を創設、科学読み物の古典『ロウソクの科学』の訳者であり、1997年1月に95歳で逝去(亡くなる2週間前まで雪山でスキーを楽むなど生涯現役)された三石巌さんが書いた、こちらの書籍です。
三石巌『タンパク質で免疫力を上げる 今こそ知りたいインターフェロンの効用』(祥伝社黄金文庫)
この本は、幻の名著と言われた1987年出版の『夢の新薬インターフェロンの効用』(講談社)の文庫版であり、自然免疫であるインターフェロンは高齢になると体内での産生力が低下していくためウイルス感染しやすくなることにフォーカスしている書です。
医学は、産生量が少ないのであれば外から薬として取り入れようと考えますが、「体内でもともと作られているものは、栄養条件を整えたいない環境を整備することで作られる」というのが三石理論の一貫した主張です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.話題のインターフェロンとは
2.インターフェロンの発見と研究
3.ウイルスあってのインターフェロン
4.ビタミンCと結びつく?
5.インターフェロン合成への仮説
6.ガンとインターフェロン
7.ガンとビタミン
この本の冒頭で著者は、「インターフェロンは、その働きが複雑怪奇であって、真相はまだ誰にもつかまれていない。」と述べています。そして、「だからこそ、これは私の興味の対象になっているのだが、本書の執筆中に、私はどうやらインターフェロンの秘密の扉に手をかけたような気がしてきた。」と続けています。
本書の前半では、「話題のインターフェロンとは」および「インターフェロンの発見と研究」について、以下のポイントを説明しています。
◆ インターフェロンの量産化は画期的なこと
◆ インターフェロンのガンへの投与
◆ 長野泰一教授の「ウイルス抑制因子」の研究
◆ インターフェロンの活性部分はタンパク質
この本の中盤では、「ウイルスあってのインターフェロン」「ビタミンCと結びつく?」および「インターフェロン合成への仮説」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ ウイルスあってのインターフェロン
◆ DNAウイルスとRNAウイルス
◆ 風に対する抵抗力はビタミンC
◆ ビタミンCのウイルス不活化作用
◆ インターフェロンの働きは、ウイルス核酸の合成過程が作用点
◆ インターフェロンは、ウイルスの遺伝情報の転写ではなく翻訳を阻害する
◆ インターフェロンは「抗ウイルスタンパク」を通してウイルスの翻訳を阻害する
◆ インターフェロンは、宿主細胞のRNAに親和力を持つタンパク質
本書の後半では、「ガンとインターフェロン」および「ガンとビタミン」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ ビタミンでガンは予防できる
◆ 腫瘍ウイルスは宿主細胞をガン化させる物質を作る「トランスフォーム遺伝子」を持つ
◆ インターフェロンは宿主細胞の遺伝情報の翻訳を阻害する
◆ ビタミンCや高タンパク食で風が防げるのはインターフェロンの自家合成による
◆ ビタミンCの酸化生成物の抗ガン作用がある
◆ ビタミンEの抗酸化作用(参加抑制作用)
◆ ビタミンA不足が胃ガンにつながる
◆ ビタミンKの血液浄化作用がガンに有効
この本の締めくくりとして著者は、「この本は、インターフェロンとガンと、二つの目玉を持つ形になっている。」と述べています。
さらに、「この本には、ガンに対するインターフェロンの効果が述べられている。そしてまた、ビタミンの効果が述べられている。両者の相関も述べられている。」と続けています。
あなたも本書を読んで、ウイルスとは何か、タンパク質で免疫力を上げるメカニズム、インターフェロンの効用、ビタミンの効用、分子栄養学の真髄を学び、自らの健康管理に活かしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2900日目】