三宅哲之氏は、広島県生まれで香川大学を卒業後に大手電機メーカーに入社。20代から40代の大半を大企業で過ごし、幹部候補の絶頂期も左遷・降格・減給からパワハラによるうつや自殺思考など、どん底も経験した。
その後、43歳でネット系ベンチャーを創業するも倒産、失業、ハローワーク通いなどの苦労を体験して、46歳で現在の「天職塾」を独立起業。転職デザイナーと名乗り、多くのサラリーマンの起業準備を支援している。
本書は、三宅氏が運営する「天職塾」の柱である、会社員をしながら好きなことで起業するための準備について、外せないノウハウや秘訣をまとめた書籍だ。
起業のための指南本は世の中に数多くあるが、本書の特徴は何と言っても、三宅氏の苦労して立ちあがってきた体験をベースにした人柄がにじみ出ている点だ。
だから会社員を続けながら、起業に向けてモヤモヤしている人たちの気持ちや悩みがわかるのだろう。痒い所に手が届くような細かな点にも配慮がなされ、読む人を惹き付ける。
「起業は究極の自己実現」と説く筆者の思いに私も全面的に共感する。起業に失敗しない為の鉄則についての記述は、頷くことばかりだ。以下は私が感銘を受けたポイントだ。
1.専門分野をきめるためのじぶん棚卸が重要
2.キャッチフレーズ、肩書き、物語プロフィールの3本柱をつくる
3.ビジネスプランはお客様を絞り込んで悩み事を知り尽くす
4.ビジネス成功のカギは独自性(USP)
5.リアルとネットの両方で情報発信と顧客獲得
6.起業に必要な同じ志の仲間と人脈づくり
とくに私は、インターネットを使った集客のスキルが弱く、どのようにして進めていけばよいか、具体的に書かれていたのが役に立った。
いつかは独立起業したいと、ずっと考え続けているけど起業できないでいる会社員にはぴったりの書籍だ。ぜひ一読をお薦めしたい。
2020年3月15日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第34回】好きなことで起業する秘訣とは?にて紹介しました。
では、今日もハッピーな1日を!