ソフトバンクグループの「近未来を知る」ことの重要性を提唱し、孫正義社長の大戦略を分析・解説して今後の世界経済や産業動向を予測している本があります。
本日紹介するのは、三菱UFJ銀行、シティバンクなどを経て、現在は立教大学ビジネススクール教授で、数多くのビジネス書も執筆している田中道昭さんが書いた、こちらの書籍です。
田中道昭『ソフトバンクで占う2025年の世界 全産業に大再編を巻き起こす「孫正義の大戦略」』(PHPビジネス新書)
この本は、AI群戦略を最重要戦略として掲げるソフトバンクグループが描く2025年の世界を分析・展望することで、不確実な未来を洞察し、読者の業界や企業の戦略を練り直していくのに貢献するために書かれたものです。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.全産業に大再編を巻き起こす「孫正義の大戦略」
2.孫正義とソフトバンクの研究
3.「米中に次ぐ第三極」を目指す戦いの始まり
4.10兆円ファンドと「AI群戦略」
5.最大の強み「金融財務戦略」を詳解する
6.ソフトバンクグループの「産業戦略」
7.GAFA × BATH と比較分析する
8.シナリオ分析で探るソフトバンクグループの未来
この本の冒頭で著者は、孫正義とソフトバンクの歴史や特徴を分析し、「孫の二乗の法則」の1段目にある「道天地将法」について解説しています。
「道」とは、「企業としてどのようにあるべきか」というグランドデザインで、ミッション、ビジョン、バリュー、戦略を包括しています。
「天」とは、「どれだけ時流に即してスピードをもって変化できるか」で、「地」とは「地の利」を指しています。
さらに、「将」と「法」は、戦略を実行に移す際の両輪で、経営学で言えば、「リーダーシップ」と「マネジメント」にあたります。
続いて、ヤフーとLINEの経営統合が目指すものと、「米中に次ぐ第三極」になれるかどうかを展望しています。
次に、10兆円のビジョンファンドとAI群戦略という、現在のソフトバンクグループの中核となる戦略を詳しく解説しています。
さらに、ソフトバンクグループの最大の強みとも言える「金融財務戦略」を詳細に分析し、著者の見解を披露しています。
この本の後半では、ソフトバンクグループの「産業戦略」として、モビリティ、通信、エネルギーの3つを挙げ、これらについて深く考察しています。
そして、ソフトバンクグループの競争戦略として、競合他社であるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)とBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)や、世界的な投資家・ウォーレン・バフェットが率いるウォークシャー・ハサウェイとの比較分析を行っています。
本書の最後では、「シナリオ分析で探るソフトバンクグループの近未来」が記されています。シナリオ分析とは、PEST分析(Politics、Economy、Society、Technology)による外部環境分析、業界構造分析、SWOT分析、3C分析を実施して、重要因子を特定し、近未来シナリオを描く手法です。
ここでは3つのシナリオを描いており、ソフトバンクグループのリスク要因も考察しています。詳細についてはぜひ、この本を手に取ってお読みください。
本書は、いま世界が注目する経営者となった孫正義と、ソフトバンクグループが向かおうとしている方向を分析し、近未来シナリオとして提示している点で、経営者ならびに経営幹部の立場にあるビジネスパーソンは、ぜひ読むべき一冊です。
あなたもこの本を読んで、全産業に大再編を巻き起こす孫正義率いるソフトバンクグループが描くAI群戦略を学び、考察することで、自らの戦略を練り直してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!