「遺族年金の制度については、大切なことなのに、知っている人はとても少ないです。」「遺族年金のしくみは、知っておいて絶対に損はありません。元気なうちに知っておけば、避けられる不利益があるかもしれないのです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、中央大学法学部卒業、早稲田大学大学院法科研究科修士課程修了、地方銀行、社会福祉協議会勤務を経て、2006年社会保険労務士事務所を設立、年金業務を専門にし、医療機関等と連携して社会保障制度に関する相談に力を入れている特定社会保険労務士、社会福祉士、精神保健福祉士の脇美由紀さんが書いた、こちらの書籍です。
脇美由紀『「まさかのときに備える」知っておきたい遺族年金: 夫が、妻が、自分が、親が』(ビジネス教育出版社)
この本は、遺族年金制度の概要とポイントを解説し、自身の年金、家族の年金について確認し、遺族年金を知るきっかけになるように記された書です。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.遺族年金制度を知る
2.支給の可能性のある遺族年金の型16タイプ
3.遺族基礎年金のしくみ
4.遺族厚生年金のしくみ
5.寡婦年金と死亡一時金のしくみ
6.遺族年金を受けるために必要な「生計維持要件」
7.元気なうちに知っておきたい「家族の要件」
8.元気なうちに知っておきたい「事実婚関係の遺族年金」
9.元気なうちに知っておきたい「遺族厚生年金の要件」
10.元気なうちに知っておきたい「他年金等との併給や遺族年金不支給のときの対応」
この本の冒頭で著者は、「『年金は100人いれば100通り』という言葉があります。どの家庭ひとつとして、同じ遺族年金はありません。」と述べています。
本書の前半では、「遺族年金制度を知る」および「支給の可能性のある遺族年金の型16タイプ」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 遺族年金制度には、①遺族基礎年金、②遺族厚生年金、③寡婦年金、④死亡一時金の4つの遺族給付がある
◆ 遺族年金を受けるのは「要件」がある
◆ 遺族年金の型16タイプがある
◆ 子を養育する場合、子を養育しない場合、高齢期の世帯の遺族年金がある
この本の中盤では、「遺族基礎年金のしくみ」「遺族厚生年金のしくみ」および「寡婦年金と死亡一時金のしくみ」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 遺族基礎年金には、亡くなった人の4要件と遺族の要件がある
◆ 遺族厚生年金には、亡くなった人の要件(3短期要件・1長期要件)と遺族の要件がある
◆ 遺族厚生年金の金額計算は、人それぞれ
◆ 寡婦年金とは、国民年金加入の夫が亡くなったとき妻に支給される
◆ 死亡一時金は国民年金保険料を納めた人が亡くなったときに支給される(期間要件)
本書の後半では、「遺族年金を受けるために必要な生計維持要件」「元気なうちに知っておきたい家族の要件」「元気なうちに知っておきたい事実婚関係の遺族年金」「元気なうちに知っておきたい遺族厚生年金の要件」および「元気なうちに知っておきたい他年金等との併給や遺族年金不支給のときの対応」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 生計維持要件とは一緒に暮らしているか、別居で生計を1つにしていること
◆ 収入要件とは、収入が年額850万円未満であること
◆ 相続人と遺族年金の遺族は同じではない(遺族年金には要件がある)
◆ 事実婚関係にある人も遺族年金の対象になる(証明の必要あり)
◆ 未納期間が多いと、遺族厚生年金の要件を満たさない
◆ 遺族厚生年金の複数の要件に該当する時は、有利な方を選択できる
◆ 特別支給の老齢厚生年金は繰り下げることができない
◆ 遺族年金が不支給決定されたときは、不服申し立てができる
この本は、様々なケースに対応した遺族年金について、フローチャート図などを使用して、わかりやすく解説しています。自身の条件に合うケースを読んで確認することで正確な理解を得ることができてとても有益です。
また巻末には「さくいん」も用意されているので、該当箇所を調べるのに便利です。
あなたも本書を読んで、遺族年金制度のしくみとポイントを知り、まさかのときに備えていきませんか。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!【3071日目】