「社会の高齢化にともない、死という現象が身近で日常的なものとなっていく。死そのものをどうとらえるか、どのような死生観を自分のものとするかということが、今後の切迫したテーマとなる。」と述べている書があります。
本日紹介するのは、厚生省を経て千葉大学に転じた広井良典さんが書いた、こちらの書です。
広井良典『死生観を問いなおす』(ちくま新書)
この本は、個々の生や死が、宇宙や生命体全体の流れの中で、どのような位置にあり、どのような意味を持っているのか、「時間とは何か」を問いながら、死生観について考えている書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.死生観と時間
2.現象する時間と潜在する時間
3.老人の時間と子どもの時間
4.人間の時間と自然の時間
5.俗なる時間と聖なる時間
日本がこれから迎える時代の特徴というのは様々あると思われますが、そのひとつに「死亡者急増時代」ということがある、と著者は言います。
これからの最大の成長産業は葬儀産業だ、という人もいますが、それも事実として誤りではないと本書では述べています。その大きな背景は人口高齢化であり、後期高齢者(80歳代、90歳代)の死亡が増えることです。
そうした時代背景の中で、欧米のキリスト教のような宗教的な死生観をが浸透していない日本では、死生観そのものが、ほとんど「空洞化」している、と著者の広井さんは指摘しています。
それは、死の意味がわからないということであり、同時に「生の意味づけ」がよく見えない、という感覚です。
そして本書では、ライフサイクルという視点から「死生観」を考え、宇宙の始まりと終わり、永遠の意味を考察していきます。
つまり、死生観というものの核心にあるのは、実は「時間」というものをどう理解するか、というテーマだということです。
本書では、いくつかの切り口から、この「時間」をどうとらえていくかということで「死生観」について考察し、多くの示唆に富んだ考え方が学べます。
あなたも本書を読んで、「死生観」について考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を