書評ブログ

『シンプルで合理的な人生設計』

「本書では、最もシンプルな成功法則を提案したい。それが『合理性』だ。」「自由に生きるためには、人生の土台を合理的に設計せよ。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、1959年生まれ、2002年国際金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビューし、数々の著書でベストセラーを連発している作家橘玲さんが書いた、こちらの書籍です。

 

橘玲『シンプルで合理的な人生設計』(ダイヤモンド社)

 

この本は、自由な人生と幸福の3つの資本「社会資本・人的資本・金融資本」という人生の土台を「合理的に選択」するとはどういうことかを論じ、3つの資本を合理的に設計するには具体的にどうすればいいかを具体的に考えてみる本です。

 

 

本書は以下の10部構成から成っています。

 

1.成功するためには、人生の土台を合理的に設計せよ

2.コスパ・タイパ・リスパ

3.睡眠と散歩は最強の自己啓発

4.進化的合理性と論理的合理性

5.成功に至る意思決定

 

6.3つの資本と8つのパターン

7.金融資本の成功法則

8.人的資本の成功法則

9.社会資本の成功法則

10.シンプルで合理的な「成功のライフスタイル」

 

この本の冒頭で著者は、「舞台がしっかりしていれば、そのうえで演じる物語の選択肢は大きく広がるだろう。そんな『強靭な土台』をもっていることを、本書では『成功』と定義したい。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「成功するためには、人生の土台を合理的に設計せよ「コスパ・タイパ・リスパ」および「睡眠と散歩は最強の自己啓発」ついて、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 人生はあらゆるトレードオフから構成されている

◆ 選択が少ないほど人生はゆたかになる

◆ 選択を避けるもっともシンプルな戦略は、お金持ちになること

◆ 良い選択とは、コスパとリスパ(リスクパフォーマンス)を最適化すること

◆ タイパ(タイムパフォーマンス)の本質は、人間関係のコスト

◆ 満足度を最大化するのではなく、後悔を最小化する

 

◆ 睡眠こそもっとも効果の高い成功法則

◆ 1日は24時間ではなく、10時間しかない

◆ 午後のカフェイン、アルコール、睡眠薬は睡眠の質を下げる

◆ 毎日25分の散歩で長生きできる

◆ 運動しないと炎症反応が起きる

 

 

この本の中盤では、「進化的合理性と論理的合理性および「成功に至る意思決定」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ 選択の結果は累積する

◆ 世帯年収1500万円と金融資産1億円からは幸福度が上がらない

◆ もっとも効果的に幸福になる方法は、お金持ちになること

◆ 無意識は意識より賢い

◆ 脳は①目の前の利益を最大化、②すべてを因果論で判断、③客観的事実は重要視しない

 

◆ 脳は④周囲に同調、⑤共同体で評判を獲得、⑥共同体で共感、⑦共同体以外を排除

◆ 脳にはバイアス(エラー)が多すぎて意識では対処できない

◆「習慣の力」が奇跡を起こす

◆ 統計的に正しいことが個人にとって正しいとは限らない

◆ 複雑系世界では、マキシマイザー、ミニマイザーよりサティスファイアーの戦略

 

 

本書の後半では、「3つの資本と8つのパターン」「金融資本の成功法則」「人的資本の成功法則」「社会資本の成功法則」および「シンプルで合理的な成功のライフスタイル」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 幸福とは、自分の人生を「よい物語」として語れること

◆ 成功とは、よい物語をつくれるような人生設計をすること

◆ 脳は直近の出来事に強く影響され、人生も「終わりよければすべてよし」

◆ 資産形成=(収入-支出)+(資産×運用利回り)

 

◆ 株式への長期投資はプラスサムゲーム

◆ インデックス投資の優位性は、運用のことを考える必要がなくタイパが高いこと

◆ マイホームの購入は、高いレバレッジをかけて不動産に投資する信用取引

◆ 保険は損をすることが前提の商品だから必要最低限しか加入しない

 

◆ 成功者とは、自分の能力を効率的にマネタイズしている人

◆ 人的資本は、働ける期間が長いほど大きくなり、生涯現役戦略は有効

◆ 自分の能力が優位性をもつ市場を見つける

◆ 大事なのは「若くして成功する」より、「人生の最後に成功する」こと

 

◆ 150人が顔と名前が一致する友達の数の限界(ダンバー数)

◆ 愛情空間(サポート)は5人、シンパシーグループは15人(サポート5人+10人)

◆ 同類婚が格差を拡大する

◆ 情報や紹介を提供するギバーになる

◆ 80年の人生でもたった4000週間しかない、人生とは時間の使い方そのもの

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「わたしたちが人生で使える資源は限られている。あることを選択すると、そのために資源を消費するから、別の選択をする資源が減ってしまう。」と述べています。

 

だとすれば、「もっとも効果的なのは、有限の資源をなにに投じるかを最初から決めておくこと」「これが『選択しない』という選択だ。」と続けています。

 

つまり、「人生の優先順位の低いものは徹底して定型化することで、優先順位の高いものにより多くの資源を投じることができる」のだ。

 

さらに、本書の続編では「成功するためには、人生の土台を、あなたのパーソナリティに合わせて合理的に設計せよ」という話になる、と述べています。

 

 

あなたも本書を読んで、「合理性」こそ最強の成功法則であることを学び、シンプルで合理的な人生設計をしてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3306目】