「“思考が凝り固まると、行動が止まる。だからこそ、まず“考え方”を解き放つことから始めよう”」――そんな気づきを与えてくれる一冊があります。
本日紹介するのは、銀行のシステムエンジニアとして論理的思考力を磨き、次にゲームディレクターとして創造的思考力を培った後、2017年にエマージェンス・ジャパン合同会社を設立。以後、人材育成コンサルタントとして、論理・創造・教養の三位一体による思考改革を提唱し、専門学校で一般教養を担当(2019〜2021年)した経験も持ち、現在は月刊誌連載「仕事に役立つ教養ガイド」やメルマガ「人生に効く教養」(登録者1500人)などを通じて “考える力の再生” を伝え続けている浜田陽介(はまだ・ようすけ)さんが書いたこちらの書籍です。
浜田陽介『すぐ動けない人のための思考を放つ100項』(明日香出版社)
本書は、思考が固まって問題解決の糸口が見えない人に向けて、100の「問い」を提示し、柔らかく世界を捉え直すきっかけを与える一冊です。
科学、哲学、歴史、マーケティングなど多彩な分野から、〈問い→自分で考える→解説〉という形式で構成され、読むたびに “自分の思考” を発見できる仕組みになっています。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.習慣的な思考を放つ
2.対人関係に囚われた思考を放つ
3.成長を妨げる思考を放つ
4.悩みに縛られた思考を放つ
5.創造を閉ざす思考を放つ
6.仕事を曇らせる思考を放つ
7.決断を迷わせる思考を放つ
8.人生を浪費する思考を放つ
この本の冒頭で著者は、「思考が行動を生み出す」と述べています。つまり現状を変えるためには、行動を変える必要があり、行動を変えるためには思考を変える必要があるのです。そして、「思考」を変えるには「視点」を変えるのです。
本書の前半では、「習慣的な思考を放つ」「対人関係に囚われた思考を放つ」および「成長を妨げる思考を放つ」について、習慣的・対人的・成長を妨げる思考を手放すヒントが紹介されています。主なポイントは以下の通りです。
◆「こうあるべき」という前提を一度疑う
◆他人の期待よりも「自分の納得」を優先する
◆「過去の成功パターン」を手放す勇気を持つ
◆“正解を探す”より“問いを立てる”ことに集中する
◆「行動できない自分」を責めずに観察する
この本の中盤では、「悩みに縛られた思考を放つ」「創造を閉ざす思考を放つ」および「仕事を曇らせる思考を放つ」について、悩み・創造・仕事という実践の領域で、思考をほぐすアプローチが語られています。主なポイントは次の通りです。
◆「悩むこと」も思考の一形態として受け入れる
◆“解決”よりも“理解”を目指す姿勢を持つ
◆創造とは「結論を急がない勇気」から生まれる
◆仕事の評価基準を“成果”ではなく“意味”に置く
◆自分の感情をデータとして扱う
本書の後半では、「決断を迷わせる思考を放つ」および「人生を浪費する思考を放つ」について、決断・人生という長期的なテーマに対して、思考を軽くし、行動へとつなげる具体的な問いが提示されています。主なポイントは以下の通りです。
◆“やらない理由”を10個挙げてみる
◆「決められない」状態を恐れず観察する
◆“今ここ”に集中することで迷いが消える
◆「効率」ではなく「納得」で動く
◆人生における“思考の浪費”を減らす意識を持つ
この本の締めくくりとして著者は、「AI時代に問われる思考力」をテーマとして、人間が「抽象的な思考力」を向上させてきたポイントを次のように説明しています。
◆ 歴史は、個別の出来事から普遍的な法則やパターンを見抜く力を育てる
◆ 科学は、複雑な現象を本質的な原理で説明する思考法を教える
◆ 哲学は、具体的な問題を普遍的な概念で捉え直す訓練そのもの
◆ 心理学は、個人の行動から人間全般に共通する心の仕組みを理解する力を与える
あなたも本書を読んで、AI時代に問われる「抽象的な思考力」を高めていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3877日目】