書評ブログ

『5000人を看取った医者が教える「幸せな最期」の迎え方』

「どう死ぬかではなく、どう生き切るか」——5000人を看取った医師が語る “人生を後悔なく終えるための共通点” があります。

本日紹介するのは、順天堂大学総合診療科を経て2004年に在宅医療専門の「さくらライフクリニック」を開設。これまで 5,000人以上を看取ってきた終末期医療のスペシャリスト であり、全国30法人・90施設・約5000人の職員と共に “生と死” に向き合い続ける医師。さらに 浄土真宗およびインド仏教で得度し僧侶としても活動。柔術黒帯二段、MENSA会員という多面的な知性と身体性から、「人はどう生き、どう最期を迎えるか」を探求してきた中田賢一郎さんが書いた、こちらの書籍です。

中田賢一郎『5000人を看取った医者が教える「幸せな最期」の迎え方』(アチーブメント出版)

この本は、「寿命を宣言し、残り時間を見える化する」という独自のアプローチを通じて、
“いまやるべきことを後回しにしない人生のつくり方” を教えてくれる一冊。
死を恐れるのではなく、命をどう燃やし尽くすか——という生き方の指南書でもあります。

本書は以下の8部構成からなっています。

1.あなたは、最期の日までどのように生きたいですか?

2.看取り医が見たリアルな人生の結末

3.「寿命は自分で決めていい」人生の終わりから逆算するメリット

4.血管を守れ!突然死を防ぐ健康戦略

5.健康の罠にハマっていませんか?知らないと損する食習慣

6.体と心を整える

7.つながりが人生を豊かにする

8.これからを豊かに過ごすために

 

本書の前半では、看取りの現場から見えた「幸せな最期」と「後悔のある最期」の違いが語られます。“寿命を自分で決める” という逆説的な視点が、むしろ生を豊かにする鍵だとわかります。主なポイントは以下の通りです。

◆ 自分の残り時間を“見える化”すると、人生の優先順位が変わる

◆ 幸せな最期を迎える人は「いま」を大切に生きている

◆ 家族への想い・役割を整理することが後悔の予防線になる

◆ 看取り医が見た“人生の結末”には共通項が多い

◆ 死を直視することで、むしろ心が軽くなる

この本の中盤では、血管の健康・突然死の予防・食習慣の見直しなど、医師としての科学的知見による “健康に生き切る技術” が解説されています。主なポイントは次の通り。

◆ 突然死の9割は血管トラブル、日常の習慣で予防できる

◆ 老化を早める食事と、寿命を延ばす食事は明確に違う

◆ 「健康の罠」にハマると、むしろ体を壊すことがある

◆ 運動・睡眠・ストレス管理は、100年時代の必須スキル

◆ 体が整うと、心も整い “生活の質” が劇的に変わる

本書の後半では、人間関係・つながり・人生観といった、精神の充実が人生最終章にどれほど影響するかが語られます。「孤独な最期」と「豊かな最期」の差は、日々の小さな積み重ねにあると気づかされます。主なポイントは以下の通りです。

◆ 幸せな最期の裏には必ず “良い人間関係” がある

◆ 人は支えられて生き、支えられて最期を迎える

◆ 心のメンテナンスは長寿のカギ

◆ 最期を意識すると、生きる姿勢が前向きに変わる

◆ “今日をどう生きるか” が、人生の締めくくりを決める

看取り医としての膨大な臨床経験、僧侶としての精神性、医師としての科学的知見——
そのすべてが融合した本書は、「死を語る本」ではなく「人生をどう生き切るか」を教えてくれる一冊です。

“最期を意識することは、いまを本気で生きる力になる”
そんな気づきを与えてくれる良書で、お薦めです。

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では、今日もハッピーな1日を!【3931日目】