チベットやウイグルでの人権弾圧、香港の民主化要求デモ、台湾総統選挙での独立派勝利など、中国・習近平のやり方に反発する動きが広がり、新型コロナウイルス感染症でも情報隠蔽が世界から非難が集中する習近平国家主席について、「許さない」と断じている本があります。
本日紹介するのは、1967年生まれ、大阪大学文学部卒業、産経新聞社に入社し、上海復旦大学に留学後、香港支局長、中国総局(北京)駐在記者、政治部記者を経て、現在はフリーのジャーナリスト、中国ウォッチャー、文筆家の福島香織さんが書いた、こちらの書籍です。
福島香織『新型コロナ、香港、台湾、世界は習近平を許さない』(ワニブックス)
この本は、新型コロナが建前は「ウイルスと人類の戦い」ですが、米中貿易戦争、チベット・ウイグル弾圧からの解放、香港の自由と法治の守護、台湾の国家的地位がかかった価値観戦争の延長にあることを提示している書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.香港デモの敗北
2.台湾総統選に敗北した習近平
3.新型コロナが習近平政権にとどめを刺す
4.世界は習近平を許さない
この本の冒頭で著者は、2019年6月に著者がワニブックスから刊行した前著『習近平の敗北』の中で指摘した習近平政権が直面するリスクについて、「9」のつく年は「必乱の年」と言い、災いが起きるという中国のジンクスにちなんで、「9つのリスク」を挙げたことを紹介しています。
「2019年の乱」としては、まさに次の2つの乱が該当するとしています。
◆ 香港の乱(香港デモ)
◆ ウイルスの乱(新型コロナウイルス)
本書では、香港デモ、台湾総統選挙、新型コロナの順で、習近平の敗北について、その深層をインタビューを交えて明らかにしています。
香港デモについては、逃亡犯条例が改正されると、中国の権力闘争のたびに香港の金融・財界人が逮捕されてしまうことになるために、これだけ大きな規模の反対デモになった、ということです。
香港は、中国の政治家・官僚たちの一時避難所となっていて、「一大マネーロンダリング市場」として機能しているからです。
台湾総統選については、もともと人気のなかった蔡英文が、なぜ圧倒的な支持を受けて当選するに至ったかの分析を記しています。
香港デモが大きな追い風になったのは確かですが、著者は同時に発覚したオーストラリア・スパイ事件が大きなインパクトがあったと解説しています。
これは、「中国共産党の諜報活動」について、証言や証拠を提供するとして、2019年4月23日にオーストラリアに入国後、ASIO(オーストラリア保安情報機構)に投降した事件です。
詳細については、この本で紹介している以下の書籍をご参照ください。
続いて、新型コロナについては、習近平への権力の集中がパンデミックの最大の原因で、その責任は重いと指摘しています。
その他にも、新型コロナに関しては以下の論点を提示しています。
◆ パンデミックを引き起こしたWHOの堕落
◆「新型コロナは米軍が武漢に持ち込んだ」という根拠のない陰謀論
◆ ウイルス生物兵器説が流れる背景
◆ 習近平の新型コロナウイルス外交
◆ 新型コロナの戦いは「第3次世界大戦」
◆ 感染症との戦いは、米中価値観戦争の延長
◆ 李文亮医師の悲劇
◆「武漢人狩り」の恐怖
この本の最後で著者は、「世界は習近平を許さない」として、習近平体制をめぐる今後の展望を記しています。ポイントは以下の通り。
◆ 体制内で起きる習近平責任論
◆ 米中の和解はない
◆ 習近平の死者数隠蔽と人権無視の強権
◆ 日本は中国の価値観を受け入れられない
あなたも本書を読んで、新型コロナを世界中に広めた人類共通の敵「中国・習近平の隠蔽と非道」について、しっかりと情報を分析し、今後の世界秩序を考察してみませんか。
2020年8月28日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第154回】世界が非難する「習近平独裁体制」にて紹介しています。
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では、今日もハッピーな1日を!【2397日目】