書評ブログ

『いままで起きたこと、これから起きること。「周期」で読み解く世界の未来』

「波に乗れずリズムを持った周期=サイクルを見失ってしまった時、人や社会は不調に陥ってしまう。こうなると健康的(つまり、リズミカル)とはいえない。これは国家にもあてはまる。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1964年東京都葛飾区柴又生まれ、日本大学藝術学部に在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリを受賞、メディアを超えて横断的に活動、総務省情報通信審議会専門委員などを歴任、2008年より拠点を欧州に移して活動、現在はコミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍する高城剛さんが書いた、こちらの書籍です。

 

高城剛『いままで起きたこと、これから起きること。「周期」で読み解く世界の未来』(光文社新書)

 

 

この本は、サイクル国家の樹立や大きな社会変化だけに注視せず、もっと大きなサイクルを持つ「宇宙>太陽系>地球>1日24時間や温帯の四季>派遣国家の栄枯盛衰>景気動向」として巨視的に俯瞰して、サイクルを掴むために、時代の大波と、世代によって異なる自分の波とを重ね合わせる試みを目的とした実用書です。

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

1.はじめにーいままで起きたこと、これから起きること

2.移り変わる「暦(サイクル)」の歴史

3.世界を動かす「80年サイクル」

4.2025年は「周期の危機」の惑星直列

5.人生を支配する周期について

6.これから何が起きるのか?

 

 

この本の冒頭で著者は、「大きなサイクルを掴むとともに、自分の位置を確認しなければ、波に乗ることはできない。この波に上手く乗れたことを、一般的には『幸運』と呼んでいる。」と述べています。

 

 

本書の前半では、いままで起きたこと、これから起きること」および移り変わる暦(サイクル)の歴史」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 自然に基づいた1日、1ヵ月、1年という周期

◆ 人工的なサイクルである「1週間」

◆ 農民の暦「二十四節気」

◆ 風水が唱える20年、60年、180年のサイクル

 

 

この本の中盤では、「世界を動かす80年サイクル」および2025年は周期の危機の惑星直列」について解説しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ ジョージ・フリードマンのアメリカ80年周期(独立戦争・南北戦争・第二次世界大戦)

◆ 次の「制度的サイクル」の第4サイクルは、2025年ニスタート

◆ 50年周期の「社会経済的サイクル」では、次は2030年にスタート

◆ 近代国家の礎が築かれた160年前(1871年ドイツ統一、1861年イタリア統一、1865年米国南北統一、1868年日本の明治維新)

 

◆ ストラウスとハウの80年周期『フォース・ターニング』(英雄・芸術家・予言者・遊牧民)

◆ シーズンサイクルと世代で、➀高揚(春)、②覚醒(夏)、③分解(秋)、④危機(冬)

◆ 世代の推移:ロスト・ジェネレーション、グレーテスト・ジェネレーション、サイレント・ジェネレーション、ベビーブーマーズ、ジェネレーションX、ミレニアルズ、ジェネレーションZ、ジェネレーションα

◆ 景気循環に関する4つのサイクル

 

◆ 800年周期の「文明法則史学」

◆ レイ・ダリオの「派遣国家250年サイクル」

◆ 国家の強さは、➀教育、②競争力、③技術、④経済生産高、⑤世界貿易シェア、⑥軍事力、⑦金融センター力、⑫8基軸通貨

◆ 歴史の流れに大きな影響を与える「気候変動」、2030年からの寒冷化

 

 

本書の後半では、「人生を支配する周期について」およびこれから何が起きるのか?」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 人減の細胞の入れ替わりにも7年周期がある

◆ ヒーローズ・ジャーニーの3つのフェーズ(➀セパレーション、②イニシエーション、③リターン)

◆ アメリカの覇権が失われ、2050年に完全崩壊と予測するエマニエル・トッド

◆ 米国は文壇から内戦初期へ

 

◆ 欧米に起きる「グレート・リプレースメント」(大転換)

◆ フランスではイスラム教徒、米国ではラティーノとアジア系(中国)

◆ 平和な時代は格差拡大、人類の平等化装置は4つ(戦争、革命、破綻、疫病)

◆ 欧米が壊れ、あらゆる国々が分断、多極化に向かう

 

◆ ドル基軸通貨崩壊後は、4層に分かれる(➀通貨バスケットのSDR、②各国中央銀行のデジタル通貨、③メジャーな暗号通貨、④インディペンデントな暗号通貨・地域通貨)

◆ 欧州貴族はスイスの小さな村ツーク(クリプトバレー)でブロックチェーン技術の開発

◆ 欧州貴族はすぐに資産移動できる匿名性の高い暗号通貨が必要

◆ アメリカが大きく2つに分かれ、ドルが2つに分かれて内部崩壊する可能性も

 

 

この本の締めくくりとして著者は、ロサンゼルスコスタメッサにある西海岸最大の売上を誇るショッピングモール「サウスコースト・プラザ」の様子について、10年ぶりに訪問した体験を説明しています。

 

モールを行き交う人の中に白人も黒人もほぼ皆無で、ラティーノと中国人観光客が占拠している「グレート・リプレースメント(大転換)」を彷彿とさせる状態でした。

 

 

あなたも本書を読んで、2025年から2040年にかけて起こる世界の大転換「周期」から読み解き、自らの人生をその波に乗せていくように考えてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2865日目】