書評ブログ

『縮小ニッポンの衝撃』

「2060年までに、日本の人口は約30%減少する!“ 人口急減社会 ” で実際に何が起こるのか?」と問いかけ、衝撃の未来を提示している本があります。

 

 

本日紹介するのは、2016年9月25日放映のNHKスペシャル『縮小ニッポンの衝撃』取材班が書いた、こちらの新刊新書です。

 

 

NHKスペシャル取材班『縮小ニッポンの衝撃』(講談社現代新書)

 

 

この本は、NHKスペシャル『縮小ニッポンの衝撃』(2016年9月25日放送)をもとに書籍化されたものです。放送中からインターネットを中心に多くの反響があり、放送後も幅広い世代からNHKに意見が寄せられた、と本書では述べています。

 

 

 

本書は以下の7部構成からなっています。

 

 

1.プロローグ

 

2.東京を蝕む一極集中の未来-23区なのに消滅の危機(東京都・豊島区)

 

3.破綻の街の撤退戦①-財政破綻した自治体の過酷なリストラ(北海道・夕張市)

 

4.破綻の街の撤退戦②-全国最年少市長が迫られた「究極の選択」(北海道・夕張市)

 

5.当たり前の公共サービスが受けられない!-住民自治組織に委ねられた「地域の未来」(島根県・雲南市)

 

6.地域社会崩壊 集落が消えていく-「農村撤退」という選択(島根県・益田市、京都府・京丹後市)

 

7.エピローグ

 

 

本書では、NHKスペシャル放送による多くの反響も踏まえて、人口減少社会の衝撃という現実から目を背けずに本気で向き合うしかない、という覚悟を伝えています。

 

 

人口をできる限り維持しながら経済成長を続け、地方も創生していく、というスローガンは耳触りは良いが、多くの日本人はその限界に気づき始めている、と著者は言います。

 

 

現在の日本には、「人口急減社会」に対する漠然とした不安感が広がっています。この本では、放送されたNHKスペシャルとともに、「日本社会は人口減少にどう折り合いをつけ、痛みを最小限にとどめていくのか」、「どんな着地点をめざしていくのか」という問いです。

 

 

本書の冒頭では、東京23区にあり、人口が増え続けていながら、2014年5月に発表された「消滅可能性都市」の一つに挙げられた豊島区の衝撃が紹介されています。

 

 

豊島区へ転入する20歳代の若者は、平均年収が低く、結婚して家庭を持つことも難しい現実があり、彼らが年齢を重ねた時の財政負担は大きなものになる、試算されています。

 

 

警備会社で働く地方から東京へ出てきた若者を取材した際の実態や、これまでの地方から東京への人口集中とは次元の違う「ネガティブ集中」という現実が記されていて衝撃を受けます。

 

 

この豊島区が先頭に立っていますが、東京にも急激な勢いで、「単身高齢化」が忍び寄っている現実があります。

 

 

本書の中盤では、全国で唯一の「財政再建都市」(現在は「財政再生都市」)に指定された北海道・夕張市のリストラの現実が詳しく記されています。

 

 

公共サービスが削減されるという実態や、「政策空屋」という苦悩の行政について、詳細な取材に基づくレポートが、この本には記されています。

 

 

さらに、日本で拡大する自治体格差の実態や、島根県・雲南市をモデルとする「住民自治組織」による取り組みが紹介されています。

 

 

続いて、島根県・益田市京都府・京丹後市の事例で、「農村撤退」の実際が取材により、明らかにされています。

 

 

この本の最後では、東京郊外で始まった「死の一極集中」による人口急減の事実が、神奈川県・横須賀市の事例により、具体的に示されていて、衝撃を受けます。

 

 

あなたも本書を読んで、「人口急減社会」の日本で何が起ころうとしているのか、改めて考えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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