「残念ながら、資本主義や法治国家では、世界は美しくならなかったんです。では、どうすればいいのでしょうか。もっと、人々が、美しい心と美しい世界をめざせばいいのだと思います。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1937年山形県生まれ、田中海庵に師事、日本と世界の都市で個展14回、書道家、伯翆書道会主宰、毎日書道会審査会員、市川市美術会理事の嶋田彩綜さんと、1962年山口県生まれ、東京工業大学理学工学研究科機械工学専攻修士課程修了後、キャノン株式会社に勤務したのち、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員を経て、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授、武蔵野大学ウェルビーイング学部学部長教授、ウェルビーイング学会代表理事の前野隆司さんが書いた、こちらの書籍です。
嶋田彩綜・前野隆司『「書」とウェルビーイング – 書道と宇宙、脳科学との繋がり -』(ワニブックス)
この本は、国内外で高い評価を受ける女流現代書道家・嶋田彩綜と幸福学や脳科学研究の第一人者・前野隆司の対談で巡る、サイエンス&アートの次世代型教科書です。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.「一」の字に込められた哲学
2.天と地を結ぶ書を
3.書と身体性
4.書に見る「意識」と「無意識」
5.「書」が書く人、見る人を幸せにする理由
6.書の上達のために必要なこと
7.作品解説
8.稽古編
9.「書」に平和の祈りを込めて
この本の冒頭で著者は、「これからは美の時代になる。ならざるを得ない。美から、世界が変わる。その先駆者である嶋田彩綜先生のあり方を、堪能いただける一冊です。」と述べています。
本書の前半では、「一の字に込められた哲学」および「天と地を結ぶ書を」について以下のポイントを説明しています。
◆ 一の字に魅せられて田中海庵先生に師事
◆ 書は「人なり」
◆ 書は「天」と繋がり、”祈り” になる
◆ 霊性心を発揮するのは姿勢が大事
◆ 書は「書く禅」で、見る力が向上する
この本の中盤では、「書と身体性」「書に見る意識と無意識」および「書が書く人、見る人を幸せにする理由」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 力を入れられない丹田に集中して書く
◆ 書き手の心情が書にそのまま投影される
◆「空画」は遊びであり、その人の宇宙
◆ 一度書いた作品はもう二度と同じように書けない
◆ 先に無意識の指令があって、体はあとから動く
◆ 習熟によってできた「内部モデル」で無意識に動く
◆ 自分のありのままをさらけ出すのが「書」
◆ 老年的超越のひとつが「宇宙的意識」
本書の後半では、「書の上達のために必要なこと」「作品解説」「稽古編」および「書に平和の祈りを込めて」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 筆や墨は生きている
◆ 書は「構え」から始まる
◆ 書の目的は「魂を磨き高めること」
◆「平和」と「幸せ」を書に込めて
◆ 魂から発した芸術作品には人を変える力がある
この本の締めくくりとして著者は、「書道学習の目的は『真我の表現』にあります。この目的達成のために必要なのは『我欲を捨てること』『丹田で書くこと』です。」と述べています。
あなたも本書を読んで、書道と宇宙、脳科学との繋がりを学び、「ほんとうの幸せとは何か」を探求してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3473日目】