「納税額は、多すぎても、少なすぎても、問題です。一人ひとりにとって『適切な』税金を納めるには、税金の知識をつけることが不可欠です。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告業務に従事、2017年にフリーライターに転身して、確定申告、節税方法、税務調査など、お金にまつわる記事等を多数執筆する元国税専門官、金融ライター、Y-MARK合同会社代表、一般社団法人かぶきライフサポート理事の小林義嵩さんが書いた、こちらの書籍です。
小林義嵩『イラスト図解 絶対トクする!節税の全ワザ』(きずな出版)
この本は、人生において税金は常について回る問題なので、最低限の知識は誰もが身につけておいたほうがいい、という著者の思いから、「体系的に税金について理解できる本」として書かれた書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.だれでも使える節税の超基本
2.会社員のための節税ワザ
3.「ビジネスや副業で稼ぐ」ときの節税ワザ
4.「資産運用で稼ぐ」ときの節税ワザ
5.マイホームや車にまつわる節税ワザ
6.家族間でお金を渡す「贈与」の節税ワザ
7.トラブルにならない「相続」の節税ワザ
この本の冒頭で著者は、本書で紹介している各種制度の条件等は2021年9月時点の情報をもとにしていて、細かい情報や専門用語はできるだけ避けて「税金の全体像」をつかめるようにした、と記しています。
本書の前半では、「だれでも使える節税の超基本」および「会社員のための節税ワザ」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 国も「節税」を奨励している
◆ 合法的に納税額を減らすのが「節税」で、「脱税」は許されない
◆ 各種の所得控除を正しく理解する
◆ 小規模企業共済等掛け金控除で節税しながら老後資金を貯める
◆ ふるさと納税の寄附金等控除は総所得金額の40%が上限
◆ 会社員の給与所得控除は、自動的に経費が差し引かれる有利な仕組み
◆ 会社員でも確定申告をするケースがある
◆ 所得税を節税すれば、住民税も節税できる
◆ 退職金は一括で受け取るのが賢い
◆ 社会保険料の標準報酬月額は、4~6月の3カ月分の給料の平均値から割り出す
この本の中盤では、「ビジネスや副業で稼ぐときの節税ワザ」、「資産運用で稼ぐときの節税ワザ」および「マイホームや車にまつわる節税ワザ」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 副業で稼ぐと、事業所得か雑所得で、事業所得なら損益通算できる
◆ 必要経費と判断できるだけの情報があれば、レシートでもいい
◆ 青色申告特別控除65万円は大きなメリット
◆ 法人化するタイミングは税理士に相談を
◆ 税務調査でウソをつけばすぐわかる
◆ 株式投資の利益は、20%の分離課税のみ
◆ 初心者がコツコツ投資するなら「つみたてNISA」
◆ 暗号通貨の儲けは総合課税で不利(損失の繰り越しも不可)
◆ FXの税金は株式とほぼ同じ(但し、源泉徴収はない)
◆ マイホーム取得には、不動産取得税、登録免許税、固定資産税がかかる
◆ 入院して受け取った保険金は非課税
◆ フリマサイトで不用品の売却は非課税、転売の利益は課税
◆ 生命保険金は契約者(=保険料の負担者)に注意(相続税の非課税枠500万円)
本書の後半では、「家族間でお金を渡す贈与の節税ワザ」および「トラブルにならない相続の節税ワザ」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 年間110万円以下なら贈与税はかからない
◆ 土地や建物を贈与するなら「評価額」に注意
◆ 贈与資金を住宅ローンの返済にあててはダメ
◆「結婚・子育て特例」で資金援助が1000万円まで非課税(結婚資金は300万円)
◆ 相続税は死亡日の翌日から10カ月以内に申告が必要
◆ 相続で気をつけたい「名義預金」の取り扱い
◆ 不動産を購入すると相続税が減る
◆ 相続税の配偶者控除は1億6000万円
あなたもこの本を読んで、絶対トクする「節税の全ワザ」を学び、実践してみませんか。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!【2646日目】