世界的なベストセラーとなっている、ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』(河出書房新社)は、なぜ書かれたのか、何を問うているのかを対談や解説によって明らかにしている本があります。
本日紹介するのは、対談が掲載されている池上彰さん、翻訳家の柴田裕之さんほかが解説をし、河出書房新社編集部が編集した、こちらの書籍です。
河出書房新社編集部『「サピエンス全史」をどう読むか』(河出書房新社)
この本は、スケールの大きな物語として世界的に評価の高い『サピエンス全史』を読むためのガイドとして使用できる書です。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.[エッセイ] 柴田裕之-スーパーヒューマン
2.[対談] ユヴァル・ノア・ハラリ × 池上彰
3.[入門] 吉川浩満-『サピエンス全史』の魅力と可能性
4.[インタビュー・談] 大澤真幸 「社会性」と「ありそうもない進化」の謎
5.[インタビュー・談] 福岡伸一 認知革命はゆっくりと進行した
6.[インタビュー・談] 海部陽介 究極の客観主義による人類進化史
7.[論考] 長沼毅『サピエンス全史』の大いなる啓示
8.[論考] 渡辺政隆 ビッグ・ヒストリーで読み解く
9.[論考] 池田純一 サピエンスからデウスへ、あるいはヘロス
10.『サピエンス全史』を楽しむためのブックガイド
この本の冒頭で翻訳家の柴田裕之さんは、「『サピエンス全史』は、大きくかけ離れたものを結びつけ、話に織り込むのが実に巧み」と評しています。
また著者のハラリさんの「伝えるのが科学者の使命である」という信念と、なるべく多くの人が歴史に関心を持ってほしいという観点から、難解な文章や専門用語ではなく、広く伝える工夫をしています。
そして、ハラリさんは「グローバルな現代世界が抱える問題に取り組むには、大局的な見方をすること、いわゆるビッグピクチャーを捉えることが必要だ」という立場を取っています。
次に、池上彰さんとの対談で、著者のハラリさんは、次のような話を披露していて、とても興味深いです。
◆ 認知革命、農業革命、科学革命というまったく新しい視点で歴史をとらえて分析
◆ 人類の歴史の完全な姿を届ける
◆ 農業革命では経済的なインパクトのほか、心理的インパクト、文学、芸術、遺伝学の成果も考察
◆ 歴史を見るときに「人々の幸福」へのインパクトも分析
◆ 無知を自覚したことから科学革命が始まった
◆ 歴史に関するグローバルな捉え方が必要
◆ 人類の罪深さ : 地球温暖化、世界的な格差、人工知能、自然環境の破壊、生態系の破壊
◆ 資本主義は、ここ2~3世紀で最も成功した宗教
◆ 人工知能は、私たちが生きている間に他の何よりも世界を変える
◆ 政治が科学と技術の進歩について認識を深めるべき
この本の中盤以降でも、多くの有識者が、『サピエンス全史』の魅力や可能性を解説しています。いずれも、様々な視点からの人類の歴史分析と、今後の科学や技術の進歩の見通しを的確に述べているものです。
それぞれの論考について詳細は、実際に本書を手に取って、お読みください。また、原著である『サピエンス全史』はこちらです。
また、この本の巻末には、『サピエンス全史』を楽しむためのブックガイドとして、数冊の本が紹介されています。その中でもとくに次の本はお薦めです。
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では、今日もハッピーな1日を