書評ブログ

『最強の「定年後」』

[50歳からの生き方で人生の後半が最盛期に変わる!」と提唱している本があります。

 

 

本日紹介するのは、東洋大学経済学部を卒業して、日本通運に入社、情報システム部門国際輸送部門海外(米国)現地法人勤務を経験した後、本社IT部門のトップになって「日通ITの野口」と呼ばれるまでになり、現在は独立して、グリットコンサルティング合同会社代表野口雄志さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

野口雄志『最強の「定年後」』(KKロングセラーズ)

 

 

この本は、50歳を機に、これから始まる人生の後半をどのように生きるかじっくり考えてみるための書です。

 

 

 

本書は以下の8部構成から成っています。

 

 

1.「50歳」になったら考える最強の定年後

 

2.組織の中で活きる自分か、組織の中では活きない自分か

 

3.好きな場所で好きな仕事を好きな時間にする「個人事業」「ひとり会社」の提案

 

4.考えておきたい定年後のお金に関する計画

 

 

5.体と心の健康が第一!

 

6.50歳から五年間のアクションプランが決め手

 

7.五五歳からの五年間で実行したいことはこれ!

 

8.六〇歳でついに最盛期がスタートする!

 

 

 

この本の冒頭で著者は、50歳になったら、60歳からの人生の準備を始めるべきで、50歳から始めれば、いろいろな選択肢が広がる、と述べています。

 

 

本書には、67歳で現役の充実した仕事人生を送る著者の野口さんが、経済的な問題だけでなく、生活のすべての面で、また精神的な面でも最高に充実し、感謝にあふれた「最強の定年後」を過ごすためのノウハウが記されています。

 

 

 

まず50歳になったら行うこととして、著者は次のようなことを挙げています。

 

 

◆ 人生の後半はこう生きたいと前向きにイメージする

 

◆ 定年後の収入はどうするかを考える

 

◆ とにかく健康であることを目標にする

 

 

◆ 今の自分を受け入れる

 

◆ あと半分の人生で何を残せるかを考える

 

◆ 家族との関係をさらに強いものとす

 

 

 

次にこの本では、「組織の中で活きる自分」「組織の中では活きない自分」かを問いかけようと記しています。

 

 

2017年5月28日付の日本経済新聞に掲載された、米国ギャラップ社による調査の記事は衝撃的です。

 

 

各国の企業を対象にした従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査で、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかいなくて、米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中、何と132位と最下位層に位置しています。

 

 

 

そうした中で著者は、「あなたが所属している組織は未来永劫ではなく、何時かは去らなければならないこと、そして組織とはそれぞれ個々固有の姿を持っていること」を理解すべきだとしています。

 

 

 

著者は自らの経験を通して、好きな場所で好きな仕事を好きな時間にする「個人事業」「ひとり会社」を提案しています。

 

 

 

この点は57歳で定年前に起業した私もまったく同感で、「雇わない、雇われない働き方」が、長く会社員として仕事をしてきた方にはとくにお薦めです。

 

 

私のやり方は著者の野口さんと少しだけ違う部分もありますが、詳しくは拙著『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)をご覧ください。

 

 

 

本書の後半では、著者が定年後に実践してきた様々なノウハウや心構えが整理して紹介されています。私がとくに共感するポイントを以下に挙げておきます。

 

 

◆ 定年後にかかる「生きていくための費用」を予め試算しておく

 

◆ 生活上での家族の協力の必要性は、想像する以上に年々、高まってくる

 

◆ 自分で決めた人生イメージを家族と共有する

 

◆ 人のために自分の能力を使うことができるモチベーションは、自分の存在意義、承認欲求に深くかかわる

 

 

 

◆ 仕事をしていること自体が「生きる活力」になる

 

◆ 少しでも報酬を得ることがさらなる「生きる活力」に繋がってくる

 

◆ 自分の人生のシナリオを作る(自分が主役)

 

◆ 過度な飲食は避け、自宅でできる運動で毎日体を動かす

 

 

 

◆「寛容」の心を意識していく

 

◆ 前向きな考え方、将来を見据えた生き方をすることが心の健康につながる

 

◆ 今まで以上に「感謝」の気持ちを持って、これからの計画をたてる

 

◆ 自分のできることで周りの人に役立つことを考えて実行する

 

 

 

この本の後半には、50歳からの「5年ごとのアクションプラン」が具体的に紹介されていて参考になります。

 

 

 

そして最後に、60歳までに築き上げた自分の基盤を、著者は「自分の人生のプラットフォーム」と呼び、このプラットフォームの上で、あなたの人生の後半が動く、と述べています。

 

 

このプラットフォームには、自分の考え方、生き方、家族との関係、今までの経験、その経験からくる自分の得意分野、苦手分野、周りの人との関係などがあります。

 

 

 

そして「何とかなる」という前向きな身持ちと「笑顔」が回りや自分を幸せにする、と述べています。

 

 

つまり「余裕」「寛容」「感謝」が良い人生を作り上げるのです。

 

 

 

充実した人生の後半や「定年後」を過ごしたい方には必読の一冊として、この本を心から推薦します。

 

 

 

あなたも本書を読んで、人生100年時代に、50歳から準備して、「最強の定年後」を考えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!