書評ブログ

『再雇用でいいですか? 実はあなたも定年後十分稼げる 40・50代から身につけるべきノウハウのすべて』

「あなたは“定年”をどう迎えますか?」――そんな切実な問いかけから始まり、会社に頼らず自分の人生を再設計するためのヒントを示してくれる一冊があります。

本日紹介するのは、1961年大阪府生まれ、和歌山大学経済学部を卒業後、1984年に阪神電気鉄道へ入社。1990年には上司とともに社内起業を行い、「大阪ブルーノート」などを通じてエンタテインメント事業を拡大し、名古屋・福岡でも展開。さらに「ビルボード」ブランドを導入し、ビルボードライブビルボードクラシックスの成功を通じて日本国内で世界的音楽ブランドの地位を確立しました。その後もグループ全体での新規事業やM&Aを主導し、プログラミング教育やデイサービスなどを立ち上げ、阪神コンテンツリンク代表取締役社長を歴任。2021年に退任後は顧問を務めつつ、株式会社B&EP代表としてエンタメ施設の建設運営アドバイザー、ペンスキーメディアコーポレーションのアジア地区担当として活躍。さらに外食業界団体の理事として業界発展にも尽力する北口正人(きたぐち・まさと)さんが書いたこちらの書籍です。

北口正人『再雇用でいいですか? 実はあなたも定年後十分稼げる 40・50代から身につけるべきノウハウのすべて』(セルバ出版)

この本は、役職定年をきっかけに心を病んだ先輩の姿を目にした著者が、自らのサラリーマン人生を振り返り、定年後の新しい働き方を真剣に考え抜いた成果です。アンケートやヒアリングを通じて、定年前に多くのサラリーマンが抱く不安や後悔、そして希望を描き出し、定年後30年時代をどう生き抜くかの具体策を提示しています。

本書は以下の7部構成から成っています。

1.サラリーマンは定年についてどう思っているか?

2.日本の企業文化と定年制度、世の中の流れは更なる定年延長

3.日本の会社風土の現状と私が育った風土

4.定年は4つ、寿命も2つ、実は定年後は30年あるのを知っているか?

5.私がおすすめする働き方と定年までに準備すべきこと

6.重要な60歳から90歳までの「30年家計簿」の作成

7.大事なことは家族を安心させること

 

この本の冒頭で著者は、定年はゴールではなく “新たな30年のスタートライン” であり、再雇用という選択肢だけにとらわれず、自分の得意や好きなことを活かした価値ある働き方を見つけるべきだと説いています。

本書の前半では、「サラリーマンは定年についてどう思っているか?」および「日本の企業文化と定年制度」について、働く人々の不安や現状を浮き彫りにしています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 多くのサラリーマンは定年に不安と諦めを抱えている

◆ 定年延長の流れが進んでおり、従来の常識は通用しなくなっている

◆ 日本独特の企業文化が働き方を縛っている

◆ 役職定年制度が心の健康を蝕む危険がある

◆ 定年を意識するのは40代からが重要なタイミング

 

この本の中盤では、「日本の会社風土」「定年と寿命」および「おすすめする働き方」について、実体験を踏まえて提言しています。主なポイントは次の通りです。

◆ 日本の組織文化は変化に追いついていない

◆ 定年には4つの概念、寿命にも2つの側面がある

◆ 定年後30年をどう生きるかの設計が不可欠

◆ 得意や好きなことを活かす働き方が再雇用以外に広がっている

◆ 起業や副業など自分で選ぶキャリア設計がカギとなる

 

本書の後半では、「30年家計簿」および「家族を安心させること」について、人生後半の備えを具体的に解説しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 60歳から90歳までの家計簿を作ることで安心が得られる

◆ 収入・支出・資産を見える化することが不可欠

◆ 家族と対話し、安心を共有することが最大の備えとなる

◆ 趣味や人間関係の再構築が定年後の幸福度を高める

◆ 再雇用以外の選択肢を視野に入れることで人生の幅が広がる

 

この本の締めくくりとして著者は、「大事なのは、家族を安心させながら、自分の得意や好きなことを活かし、定年後30年を自分らしく生きることだ」と述べています。

会社に頼らない “セカンドステージ” を切り開くために、40代からの備えとして必読の実践的ガイドです。

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では、今日もハッピーな1日を!【3874日目】