「定年前にリタイアして余分に手に入れた自由時間は、長い間一生懸命働いてきた自分に対するボーナスと考えよう」と呼びかける書があります。
本日紹介したいのは、早くから人生設計を行ない、54歳でリタイアしてフィナンシャルプランニングや自己実現のセミナーなどを開催して活躍する桐野裕さんが書いた、こちらの書です。
桐野裕『思いどおりにリタイアできる人生設計術』(筑摩書房)
この本は、①定年前に、②自発的に、③計画的に、会社を辞めることを「リタイア」と定義して、そうした生き方を薦める書です。
著者の桐野さん自らが40歳の時に「58歳でリタイアする」という人生設計を立て、それを4年前倒しで実践した体験談を中心に、リタイアという人生設計の素晴らしさを本書に記しています。
本書は以下の12部構成から成っています。
1.リタイアとは
2.お金に関する基本的事項
3.四大資金からお金を増やす
4.リタイアを決めるまで
5.リタイアという目標に向かって
6.自分の人生をビジネスとしてとらえる
7.転機からリタイアまで
8.リタイア後に、再びリタイアを考える
9.リタイア後の生活と経済性
10.投資を考える
11.アパート投資
12.会社を作るメリット
本書は、一部の大成功した起業家やフリーの才能あるクリエイター、芸術家などの成功物語ではありません。ごく普通の人が、若い時から綿密に人生設計を練って夢を実現した軌跡を描いていて共感が持てます。
私が自らの生き方として選択した「定年前起業」という人生設計を褒めて頂いたような気持ちで読み進めていきました。
①定年前に、②自発的に、③計画的に、会社を辞めるには、早くから準備が必要なことは論を待ちません。「リタイアへの第一歩は、まず夢を描くことから始めよう」と著者は言います。
そして、①経済的な道のりと、②精神的な道のり、という二つのハードルを越えて行かなくてはなりません。それほどたやすいものではありませんが、「自分の決断だけでできる」という意味では、不可能なものでもありません。
本書では、そうした葛藤を経て、著者の桐野さんが実現してきた「リタイア」について、いろんな角度から具体的に説明してくれています。
前半は経済的基盤をどう作ってきたかという「お金の話」が語られます。人生の四大資金が生涯収入の約半分を占める出費になり、どう対処すべきかという著者の考え方は参考になります。
また、後半では「投資」についての考え方も披露されています。もう一つの柱である「精神的な支柱」についても、家族との関係や健康への配慮など、大切な要素にも触れています。
私がとくに印象深かったのは以下の2点です。
◆ 人生をビジネスとしてとらえる
◆ リタイア後に、再びリタイアを考える
家庭を会社としてとらえて、家計のバランスシートを作成したり、リタイア後の仕事とのかかわり方や生き方など、多くの参考になる事例を知ることができました。
本書の最後には、「会社を作るメリット」も記載され、リタイアには様々な戦略が必要なことが理解できます。私もファミリーカンパニーを設立して、本当に良かったと思っています。
あなたも本書を読んで、「リタイア」という人生設計、あるいは私が提唱する「定年前起業」という生き方について、考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を