いま、「お金のかたち」が変わりつつある。そこで徹底した消費者目線から、現在進みつつある変化を追っていくことで、私たち消費者の生活がどう変わるのかを論じている本があります。
本日紹介するのは、2年間の芸人活動ののち大学を中退し、いくつかの編集プロダクションを経てフリーライターとなった我妻弘崇さんが書いた、こちらの書籍です。
我妻弘崇『お金のミライは僕たちが決める』(星海社新書)
この本は、キャッシュレス、モバイル決済、フィンテック、仮想通貨など、「お金のかたち」が大きく変わる中で、消費者の生活がどう変わるのかを考察、解説した書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.現代日本におけるお金のかたち
2.キャッシュレス化とどう向き合うか
3.世界におけるキャッシュレス
4.日本は脱現金化するか?
5.僕たちとお金のミライ
この本の冒頭で著者は、「そもそもお金って何だろう?」と問いかけています。ポイントは加盟店でしか使えないし、信用がなければ現金も流通しません。
そうした中で日本では、東京オリンピックが開催される1964年を睨んで、1961年にダイナースカードやJCBカードが発行されるクレジットカード元年を迎えたそうです。
それと同様に、2020年東京オリンピックを控えて、キャッシュレス化が進む世界の潮流と、インバウンドの外国人観光客が最初の東京オリンピック時とは比較にならない規模で拡大している現在、今一度、「お金のかたち」が大きく変わることは不思議ではない、と著者は言います。
日本ではクレジットカードの普及から現金以外の決済が進みましたが、次に登場したのは「電子マネー」です。
これは各種ポイントと同様に、日本独自の発展の仕方をしていて、各種サービスが乱立する状況になっています。
そのため使い勝手も悪く、分かりにくいという面もあり、なかなかキャッシュレス化が進んでいません。
しかしながら、今後はモバイル決済が進む、と本書では予測しています。使いやすさをどうするかが課題ですが、間違いなく以下のことが言える、ということです。
◆ お金を出して、お釣りをもらうことがないため、驚くほどスピーディー
◆ クレジットカードを出さないので少額決済に対する引け目を感じない
◆ 磁気ストライプで決済しないのでスキミングなどの可能性がない
◆ 認証システムにより、万一スマホの紛失・盗難にあっても他者は決済できない
キャッシュレスは、可処分所得が増えるという観点から考えるべき、と著者は述べています。そして、世界基準でキャッシュレス化するメリットとして、次の7点を挙げています。
1.決済のスピーディーさ
2.安全性
3.マンパワーとコストの削減
4.ビッグデータとしての集積性
5.透明性
6.観光対策
7.周辺ビジネスによる市場活性化
この本の後半では、世界の他国では、どのようにキャッシュレス化が進んでいったかが解説されています。
中国のモバイル決済、欧米でのデビッドカードなどで、現金使用を抑制する国は多い、と著者は指摘しています。
最後に、ブロックチェーンという相互信用が生み出す決済の形として、仮想通貨を取り上げています。
「お金のミライ」としては、ポイントの現金化や一本化、また仮想通貨を決済手段にできるかどうかなど、まだ議論すべき課題が残っていて予測が難しいのが現状です。
結論として、いかに画期的な決済手段や技術でも、消費者が選ばなければ定着しない、ということです。つまり、「お金のミライ」を決めるのは、消費者である私たちなのです。
あなたも本書を読んで、「お金のミライ」について考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を