書評ブログ

『脳の老化を止めたければ歯を守りなさい!』

「脳と歯は、とても強く結びついています。」「歯を使って噛むだけで、脳の広い範囲が活性化するのです。」「歯を守ることは、脳を守ることなのです。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、1966年生まれ、名古屋市立大学医学部卒業、医学博士で、日本老年病学会専門医、さらにファイナンシャルプランナー資格を持ち、病気だけでなく生活、家族も診るライフドクターとして、地方のクリニックでありながら、全国から月に1,000人以上の認知症患者が受診し、認知症治療とともにお金に関する今後の生活まで一括して相談を受けている長谷川嘉哉さんが書いた、こちらの書籍です。

 

長谷川嘉哉『脳の老化を止めたければ歯を守りなさい!』(かんき出版)

 

この本は、どんな歯のケアをすればあなたの脳を若返らせてくれるのか、そして全身の健康を守ってくれるのかそのための方法をやさしく解説している書です。

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

1.「ボケない脳」をつくるのは「歯」だった!

2.これだけある! 歯と病気の関係

3.認知症専門医が教える、脳の老化を防ぐ歯のケア方法

4.歯医者さんを味方につける

5.心地よい歯みがきで、脳をみがき続けよう!

 

 

この本の冒頭で著者は、歯や舌や唇を含む「口」は、大脳の運動野、感覚野でそれぞれ3分の1を占めている、と述べています。

 

 

本書の前半では、「ボケない脳をつくるのは歯だった!」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 脳寿命を延ばす鍵は「歯」にある

◆「歯がない人はボケやすい」は本当だった

◆ 歯周病は脳を老化させる大きな原因

◆ 日本人の歯周病有病率は、30代で77%、40~50代で83%

 

◆ 35歳から歯のケアを変えれば生涯医療費が1千万円以上安くなる

◆ 歯周病が原因になる病気は、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、誤嚥性肺炎、糖尿病、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞

◆ 歯のケアには7つの効果:①脳が活性化してヤル気と記憶力が高まる、②認知症や全身疾患を予防、健康寿命が延びる、③生涯医療費が大幅に安くなる、④口臭を抑えられる、⑤何歳でも好きな料理が食べられる、⑥寝たきりを予防できる、⑦孤独に陥らない

◆ 脳寿命チェックリストは、歯周病チェックリスト

 

 

この本の中盤では、「これだけある! 歯と病気の関係」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ 歯周病は歯周病菌の感染で引き起こされる口の中の炎症性疾患

◆ 食後8時間でできるプラーク(歯垢)は24時間で歯石になり、自分では取れなくなる

◆ 歯周病で血液中に炎症物質「サイトカイン」が流れ、脳で「アミロイドβ」というゴミになって蓄積しアルツハイマー型認知症の原因に

◆ 噛むことで歯の根元にある歯根膜のポンプをプッシュして脳に血液を送り込み、アミロイドβを押し流す

 

歯周病で血液中に炎症物質「サイトカイン」が流れると、インスリンが効きにくくなり、糖尿病の原因に

歯周病で血液中に炎症物質「サイトカイン」が流れると、動脈の内壁が厚く硬くなって、動脈硬化になる

◆ 歯周病菌が誤嚥性肺炎の重大な原因であることがわかっている

◆ 口臭=寝たきりのニオイは歯周病が原因

 

◆ スウェーデンやアメリカなど口腔衛生先進国は予防歯科が常識

◆ 80歳で20本の歯を残す「8020運動」では不十分で、「8028」を目指す

◆ 命は「口」に始まり、「歯」で終わる

◆ 健康意識の高い人は、熱心に歯のケアを行い、脳を若返らせている

 

 

本書の後半では、認知症専門医が教える、脳の老化を防ぐ歯のケア方法」「歯医者さんを味方につける」および心地よい歯みがきで、脳をみがき続けよう!」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 舌には「上あごセンターにあるスポット」という定位置がある

◆「口呼吸」が口腔内細菌を大増殖させ、前頭葉に負荷をかけて認知症リスクを高める

◆ 人間は本来、「鼻呼吸」する生き物

◆ 舌ポジションを正せば自然と「鼻呼吸」になり、口腔内細菌が増えない

 

◆ 脳の老化を防ぐ「歯のケア」を習得して習慣にする

◆ 1ステップは「5分の歯みがき」と「舌まわし」

◆ 2ステップは「両手歯みがき」「斜め45度みがき」「歯間ブラシ」の歯周病ケア

◆ 3ステップは「15分歯みがき」「オイルプリング」「ガム」のスペシャルケア

 

◆ 治療より予防に力を入れる歯科医を定期受診(予防歯科)

◆ 髪を切るがごとく歯科を受診する

◆ 高齢者の健康を守る基本を担うのは「歯科衛生士」

◆ 歯のケアの気持ちよさが「やる気」を呼び起こして脳のスイッチをオンにする

 

◆ ボケない人は90歳でも肉を食べる

◆ 好きなものはたくさん食べるので咀嚼回数も多くなる

◆ 食事がおいしく感じられる割合は歯の本数が減るごとに下がってくる

◆ 心地よい歯みがきで、脳みがきを続ける

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「結局、私たちの命は、栄養を摂取することから始まり、それができなくなったら終わります。自力で食べることから始まり、食べられなくなったら終わるのです。」と述べています。

 

それが「人生は口で始まり、歯で終わる」という意味なのです。

 

 

あなたも本書を読んで、歯を守り、噛み続けることで脳の老化を止めてみせんか。

 

 

2022年1月20日にYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第261回】脳の老化を止めたければ歯を守りなさい、にてYouTube動画でも紹介しています。

 

 

ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。

 

 

では、今日もハッピーな1日を!【3004日目】