「2011年3月11日の巨大地震と津波による壊滅的な被害と惨状にもかかわらず、日本人は逆境に立ち向かい、不屈の精神で乗り超えてきた」と称賛している書があります。
本日紹介するのは、2002年から2008年まで東京支局長として日本に駐在した英フィナンシャル・タイムズ記者のデイビッド・ピリングさんが書いた、こちらの本です。
デイビッド・ピリング『日本-喪失と再起の物語(上)』(早川書房)
この本は、2011年3月に東北地方を襲った大地震と津波の惨状から力強く立ち上がった日本の人々の姿に、英国人ジャーナリストが突き動かされて、かつて海外特派員として勤務していた日本へ戻り取材を重ねて書いた書です。
著者のデイビッド・ピリングさんは、可能な限り日本社会の広い層の人々に直接会って話を聞く決意を固め、村上春樹をはじめとする著名な小説家や、楽天の会長兼CEOの三木谷浩史らの経営者、さらに銀行家、政治家、官僚、芸者、歌舞伎俳優、大相撲力士など、実に幅広く取材しています。
また著名人だけでなく、被災地の陸前高田をはじめとする一般の住民、ごく平凡な人たちからも数多く話を聞いています。
例えばそこには、自動車工場の工員、医療従事者、活動家、保守派、リベラル派の学校教師、伝統的な神主、ティーンエージャーから80代のお年寄りまで含まれています。
全体としてみれば、日本は住むにはとても魅力的な場所であり、取材中は極めて円滑に機能する日本社会の恩恵をすべて享受できた、と著者は述懐しています。
本書(上巻)は以下の8部構成から成っています。
1.津波-2011年3月11日、陸前高田
2.逆境をバネにする-被災地を歩いて
3.島国であることの意味-日本人論の虚実
4.「脱亜」への決意-日本外交のルーツをたずねて
5.無限級数のように-奇跡の戦後復興
6.転落の後に-転機としての1995年
7.ジャパン・アズ・ナンバースリー-日本衰退論の嘘
8.リーゼント頭のサムライ-小泉潤一郎とその時代
この上巻では、3・11の震災・津波を受けた被災地の状況についての記述から始まり、戦後復興、高度成長、バブル崩壊、そして2001年から2006年まで続いた小泉政権時代の考察が書かれています。
数多くの取材と英国人という外部から見た日本人の考え方や慣習などの捉え方が興味深く綴られています。
今回の大震災・津波の後で、日本社会において変化したこと、変化しなかったことをより詳細に探っていく分析は、外部の第三者から客観的に見た日本社会、という点で学ぶべきことが多いものです。
あなたも本書を読んで、日本社会がどのように変わりつつあるのかを客観的に見直してみる機会を持ってみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を