「バブル崩壊後の長期低迷期の諸問題が少子高齢化による労働力不足で概ね解決し、人々が生き生きと働ける時代が来る」と説いている本があります。
本日紹介するのは、東京大学法学部を卒業し、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行して、おもに経済調査関係の業務に従事した後、2005年に退職して現在は、久留米大学商学部教授の塚崎公義さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
塚崎公義『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由』(河出書房新社)
この本は、読者が「悲観論バイアス」に晒されていることの認識が重要だ、として、マスコミが「悲観論的な話」が大好きな理由や、多くの立場の人たちが楽観的な状況の時は発言や発信を控え、悲観的な状況の時のみ大きな声を上げる、という背景について指摘しています。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.バブル崩壊後の日本経済が長期低迷にあえいだ理由
2.日本経済を蝕む病巣は「労働力不足」で快復する
3.財政は破綻せず。ゆえに性急な再建策はいらない
4.じつは、とても素晴らしい日本的な経済システム
5.30年後にぶつかる難題に備え今すべきこと、考えるべきこと
6.大災害、AIの発達・・・覚悟すべきサブシナリオ
この本の冒頭で著者は、「昭和の日本経済が発展したのは、それなりに優れた経済システムであったからだ」と指摘し、本書によって読者の皆さまが、「色々な見方がある」ことに気づいていただければ、そして「自分なりの考え方をお持ちいただけるようになれば、筆者として幸い」と述べています。
この本の各章は、本論、解説、補論、まとめから成っていて、10分で本書を理解しようと思ったら、「まとめ」だけを読めば良い、と著者は説明していますが、著者の言いたいことを丁寧に説明した部分が本論になります。
まずこの本では、バブル崩壊後の日本経済が長期不振を続けていた原因を考えています。
次に、少子高齢化による労働力不足で、バブル崩壊後の日本経済の問題点の多くが自然消滅していくことを示しています。
さらに、著者の持論として、以下のようなテーマでその主張を説明しています。
◆ 日本の財政は破綻しない
◆ 日本的な経済システムが素晴らしい
◆ 将来に向けて今から行うべきこと、準備すべきこと
◆ サブシナリオ(人工知能で大量失業時代、大災害で東京や大阪が壊滅)
本書では、多くの経済評論家や経済学者などが提唱する日本経済の悲観論ではなく、「暴論」と呼ばれそうな独自の視点で、思い切った楽観論を提示しているところが特徴です。
バブル崩壊後の長期不振の原因は、「勤勉と節約」による「合成の誤謬」である、金融危機の際に企業が受けた貸し渋りが企業のトラウマになっている、など的確な指摘がなされ共感を覚えます。
また、アベノミクスは、経済を良くするための識者による大きく分けて以下の3つの意見をすべて採用して政策にしたため多くの支持を受けた、と著者は解説しています。
◆ 日本経済の供給力を強化すべきだ(第三の矢「成長戦略」)
◆ 金融を大胆に緩和すべきだ(第一の矢「金融緩和」)
◆ 公共投資などで需要を作るべきだ(第二の矢「財政出動」)
この本の中盤以降では、日本的な経済システム(終身雇用・年功序列・企業別組合・下請け精度・メインバンク制)が優れていることを分かりやすく説明しています。
さらに、30年後を見据えて、今やるべき準備として、次の施策を挙げています。
◆ 少子化に断固として対峙する
◆ 子ども手当を月額10万円支給する
◆ 保育園の待機児童問題を解消する
◆ 移民の受け入れをせず、日本人を活用する
◆ 70歳まで働くことを前提とした制度に変えていく
◆ 増税するなら消費税より相続税
◆ 大企業に「社内ベンチャー」を立ち上げてほしい
◆ 「誰に我慢してもらうか」をしっかり考える
この本を通読すると、日本経済が黄金期に入ったという真実がよく理解できます。
あなたも本書を読んで、日本には「輝かしい未来」が待ち受けていることを実感してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を