「英語ができない原因は日本語にあった」と指摘する本があります。本日紹介するのは、豊富なビジネス経験を持つ二人と英語指導のベテラン二人の共著である次の書です。
井内邦彦ほか『日本語が分かれば英語はできる』(日本経済新聞出版社)
この本は、大手企業が英語を社内公用語とする動きが広がる中で、多くの有識者が「英語がきちんとできるようになるためには、まず日本語をしっかり学べ」と指摘していることに対して、具体的な回答をしている書です。
日本語と英語の一番の違いは「論理性」だと、この本では指摘していますが、論理性が希薄な日本語に論理性を求めることが英語的な発想を身につける原点だという思いで本書は書かれています。
本書は以下の4部構成によりジャンル分けをして、70の文例をもとにして、「日本語を英語の観点から分析し、英語にしやすい日本語に読み替えを行う」作業を紹介しています。
1.省略
2.凝縮
3.特有
4.習慣・文化
本書では、英語的な発想法を身につけることを目的にしていますが、「国語辞典」を頻繁に引用しています。辞典に載っている語彙の説明は日本語の原意を知る手がかりになります。
実は辞典に記載されている意味をそのまま英語にすれば、ちゃんとした文章になる場合がたくさんある、ということです。
これまでは、英語の表現力をつけることが過度に重視され、表現する内容の論理性について語られることはあまりありませんでしたが、本書で提起している「論理的日本語重視型」の学習への転換は、英語習得に大きな一石を投じることになるでしょう。
また本書では、ところどころに英語表現に関する以下のようなコラムが差し挟まれていて、これも参考になります。
◆ 比較級をもっと使いこなそう
◆ 「to + 動詞」をどう使っていますか?
◆ 都合のいいことは能動態、都合の悪いことは受動態
◆ <by>をどのように使っていますか?
◆ in charge of ~ は担当者の意味では使わない
◆ be interested in ~ は有効なビジネス表現
◆ proud は使って大いに褒めよう
◆ 動的な形容詞について
◆ 英語にもある敬語に相当する言い方(丁寧な言い方)
◆ 学習者向け英英辞典の勧め
あなたも本書で紹介されている70の例文によるレッスンを通して、日本語の論理性に焦点を当てることにより、英語的な発想法を身につけていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を