バブル崩壊前夜に買ってしまった分譲団地のために、20年近く経つ今もローンを抱え、節約に必死に生きる主人公の織部頼子が、老朽化による建替え問題に振り回される日々を送る中で、人生の大逆転を目指していく社会派エンタメ長編の小説があります。
本日紹介するのは、昨日に続いて、1959年兵庫県生まれで、明治大学文学部を卒業し、2005年に「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞した作家の垣谷美雨さんが書いた、こちらの書籍です。
垣谷美雨『ニュータウンは黄昏れて』(新潮文庫)
この本は、バブル期に、郊外に立地する駅からバス便の中古公団住宅を購入した主人公が、その後のバブル崩壊による資産価値の下落、夫の収入減少、退職金制度の改悪、年金支給開始年齢の繰り下げなど、何重もの不運が重なり、住宅ローン返済の重荷に苦しむ様子を描いています。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.住宅ローン地獄
2.オールドタウンの憂鬱
3.資産家に生まれて
4.再生への期待
5.居住権
6.現在地
この本で描かれている、普通の会社員の苦しい生活状況や資産家との二極化の様子は、リアリティがあります。
巻末の解説では、戦後中流層(中産階級)の「斜陽」と表現しています。土地神話と終身雇用が崩壊したことにより、一般の会社員が苦しむことになっている様子が具体的に書かれていて、大きな共感を呼んでいるのでしょう。
この本は、先日文庫化されてベストセラーになっている『老後の資金がありません』(中公文庫)と同じ問題意識のもとで、定年後の生活不安を彷彿とさせるものとなっています。
また書評については、2018年6月14日付ブログ記事を、こちらからどうぞ。
そして、今年4月に出版された拙著『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)を併せてご一読いただければ、不安の解決法がわかるかも知れません。
書評は、発売日の2018年4月7日付ブログ記事で読むことが出来ます。
あなたも本書を読んで、中流幻想の崩壊の先を生き抜く気力をもらってみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を