「『老人は定年後に働けない』というのは思い込みにすぎません。」と述べて、「貯金も株式もいいですが、それよりも定年後も働いたらいかがですか?」とアドバイスしている本があります。
本日紹介するのは、三重県四日市市出身、早稲田大学商学部卒業、外資系コンサルティング会社勤務などを経て独立開業、執筆、講師、コンサルティングといった堅めの仕事から、落語家・講談師との共演まで幅広く活躍している作家、公認会計士の田中靖浩さんが書いた、こちらの新刊新書です。
田中靖浩『ただの人にならない「定年の壁」のこわしかた』(マガジンハウス新書)
この本は、「定年後も楽しく働く」選択肢を手に入れるため、人生100年時代のリスキリング(学び直し)として、令和フリーランスに必須の「おもしろがり力・巻き込み力・助けられ力」を伝授してくれる書です。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.ただの人にならない「定年後」のすすめ
2.現役世代のための「フリーランス思考」のすすめ
3.定年後は「助けられ力」がものを言う
この本の冒頭で著者は、「定年後は雇われずに、好きな仕事をして小さく稼ぐ。そんな高齢化社会に対応した生き方を『令和フリーランス』と名付けましょう。」と述べています。
本書の前半では、「ただの人にならない定年後のすすめ」について、次のポイントを説明しています。
◆ フリーランスとは「雇われない、雇わない」働き方・生き方
◆ 収入は不安定ながら、いつまでも働けるフリーランス
◆ サラリーマンからフリーランスへ変身する
◆ 好きな仕事を好きな時間だけ働く
◆ サービス業で小さく仕事を始める
◆ 定年後まで使う名詞を作り、自分の武器にする
◆ 商売の2つの基本:➀売り物を用意する、②買ってくれる顧客を探す
◆ まずいラーメンを山奥で売ってはいけない
◆ 人間の欲求には、①D動機(Deficit:不足を補う)、②B動機(Being:あるがままにやる)の2種類がある(by マズロー)
◆ FIREの前提にある「仕事は苦役」
◆ やりたい仕事を明確にして、B売上を(D売上でなく)
◆「健康な身体」は貯金と同じ
◆ 不安五段階説:➀不健康、②金欠、③無所属、④孤立、⑤自己否定
◆ 自慢と説教と塩分は控えめに
◆ Bモードの背中を見せる
この本の中盤では、「現役世代のためのフリーランス思考のすすめ」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ フリーランスへの第一歩は相互理解
◆ 副業で磨くフリーランス力
◆ Bモード・マネタイズを学ぶ
◆ コミュニティ・メーカーという新たな仕事
◆ 貯金や投資より、縁づくり
◆ Bモードが重なる相手とコラボする
◆ サービス業の重心が「売り物」から「顧客との関係」へ
◆ 定年に向けてカタログを作る
◆ サラリーマンのうちに、副業で3つのことを実践する
1.コバンザメ作戦を先輩「3人」について実行する
2.人が集う勉強会などを「3回」主催する
3.少額でもいいので「3カ所」からお金を稼ぐ
本書の後半では、「定年後は助けられ力がものを言う」について解説しています。主なポイントは以下の通り。
◆「教え方」のモードチェンジを
◆ 株式投資と確定申告で「勉強」する
◆ 生涯マネープランを作る
◆ 健康最優先のフリーランス
◆「助けられ力」こそ財産
本書で提唱している「令和フリーランス」は、拙著『定年ひとり起業』(自由国民社)、『定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)および『定年後不安』(角川新書)にて私が推奨している「お金」「孤独」「健康」の定年後三大不安をすべて解決できる「トリプルキャリア」で生涯現役のライフスタイルを構築するというコンセプトと共通する部分が多く、心から共感し、深く感銘を受けました。
この本の締めくくりとして著者は、「フリーランスへの道・7カ条」を以下の通り、提示しています。
1.サステナブルな自分名刺をつくろう
2.「じぶんのやりたいこと」から売り物をつくろう
3.偉ぶらずに参加できる場を見つけよう
4.あこがれの人の近くでお手伝いをしよう
5.みんなを巻き込んで幸せになる方法を考えよう
6.聞かれたときだけ、啐啄同時に教えよう
7.明日へ向かってムーンショットをもとう
あなたも本書を読んで、貯金残高を気にするより、定年後は小さく稼いで気楽に生きる「令和フリーランス」を目指して、人生設計を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3029日目】