「不動産業界では昨今、超高額マンションとは『2億ション』『3億ション』を指します。つまり販売価格で2億円を超えないと超高額マンションとは呼ばないのです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、東京大学経済学部卒、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)、BCGを経て三井不動産に勤務、J-REAT(不動産投資信託)執行役員、運用会社代表取締役を経て独立、現在はオラガ総研株式会社代表取締役として、ホテルなどの不動産プロデュース業を展開、全国渡り鳥生活倶楽部株式会社を設立し代表取締役を兼務している牧野知弘さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
牧野知弘『なぜマンションは高騰しているのか』(祥伝社新書)
この本は、ストック数700万戸(戸建て2700万戸)にもなる一般的な居住形態となったマンションが投資商品になるなど進化する中で、マンション価格の高騰から、日本社会の変化、そして未来を考察する書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.増え続ける ”億超え” マンション
2.誰が買っているのか
3.一般国民を相手にしていないデベロッパー
4.これからのマンション、3つのキーワード
5.マンションの本当の資産価値とは?
この本の冒頭で著者は、「もはやディベロッパーは一般国民などを相手にしていない」「日本社会および日本人の階層分化は進行しています」と述べています。
本書の前半では、「増え続ける ”億超え” マンション」ついて以下のポイントを説明しています。
◆ 億ションはもはや普通の物件
◆ 続々発売される超高額マンション
◆ タワーマンションから低層ブランド立地マンションへ
◆ 調富裕層に人気のホテルサービス付き「ブランデッドレジデンス」
この本の中盤では、「誰が買っているのか」および「一般国民を相手にしていないデベロッパー」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 平日の昼間から「暇そう」にしている日本人富裕層が激増
◆「年収の高い人」と「資産持ちの人」という2つの富裕層
◆ 都内で普通に見られる相続貴族
◆ 地方豪族がこぞって買う地方タワマン
◆ 外資系の買い漁りと横行する業者買い
◆ 天井が見えない建設費の高騰
◆ 市街地再開発事業の「美味しい仕組み」が地方タワマン価格高騰の一因
◆ 超高額賃貸マンションやホテルコンドミニアムが富裕層に人気
◆ 日本の大手デペロパーは東南アジアへ投資
◆ 一般国民は中古物件を買うしかない
本書の後半では、「これからのマンション、3つのキーワード」および「マンションの本当の資産価値とは?」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 都心に集まる人たち
◆ 東大は東京にある地方大学に(首都圏出身者が7割)
◆ 都心部でマンションを選ぶなら山の手(麻布・青山・広尾・六本木・赤坂)
◆ 価値の落ちないヴィンテージマンションは築30年以上、立地・設備・住民の質
◆ 衛星都市間の格差が拡大
◆ かつてのベッドタウン(寝るだけの街)はナーシングタウン(寝たきりの街)へ
◆ 地方4市(札幌・仙台・広島・福岡)は周辺から人が集中、とくに福岡は今後も成長
◆ 今後のマンションキーワード:①都心、②衛星都市、③地方4市
◆ タワマンは期間10年の金融投資商品
◆ 価値ある中古マンションを見極める
◆ 住宅は「買いたい」と思った時が「買い時」
◆「マンションプラウド」から「街プライド」「エリアプライド」へ
この本の締めくくりとして著者は、日本社会は「富裕層」と「貧困層」に二極化するのではなく、「チャレンジ層」を含めた三極化する、と述べています。
あなたも本書を読んで、マンションの本当の資産価値を学び、賢明な住宅選びをしていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3489日目】