この理不尽な社会で生きていくあなたに向けて、「仕事はそつなく、ほどほどにうまくやろう。」と提唱し、その方法を伝授してくれる本があります。
本日紹介するのは、代議士秘書、大手コンサルティングファームを経て、現在はコラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員の尾藤克之さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
尾藤克之『波風を立てない仕事のルール ~「逆説」の働き方指南』(きずな出版)
この本は、「野心にあふれ、エネルギッシュで、仕事や出世、お金儲けに熱意を燃やせる人」ではなくて、「仕事はそつなくほどほどにこなし、そこそこの収入を得て、小市民的な幸福を得られればそれでいい」と思う世の中の多くの会社員の方々に向けて、理不尽さによる不幸を回避する方法を伝えてくれる書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.はじめに 穏やかな毎日を望む人に本当に必要なもの
2.事を荒立てない謝罪の鉄則
3.危険を冒さずリスクをかわす
4.上司に気に入られる仕事術
5.ご機嫌を取ってうまいことやる
6.文章で下手を打たないために
7.おわりに
この本の冒頭で著者は、自らがコンサルタント会社に勤務していた時の「理不尽な経験」について、ストーリーとして紹介しています。
私も計4社で34年間の会社員経験があるので、似たような「理不尽さ」を何度も味わっており、実にリアリティ溢れる尾藤さんの筆力に圧倒され、思わず引き込まれて感情移入して、強く共感しました。
理不尽な上司はどこにでもいるもので、とくに日本企業は国際的に見ても「エンゲージメントが著しく低い社員が多い」という調査結果がいくつも発表されています。
そうした理不尽な世の中で、会社につぶされない「35の超実践的テクニック」を仕事のルールとして提示しているのが本書です。私がとくに共感し、印象に残ったルールは以下の通りです。
◆ トラブルが起きたら犯人探しよりも謝り方が勝負
◆ 謝罪に不可欠な「客観的視点」(=言い訳をしない)
◆ 謝罪では落としどころを想定する
◆ 上司に言質を取られてはいけない
◆ 悪評には権威で対抗する(基本は無視)
◆ 怒っている人への対処3原則は、①離れる、②自分から謝りに行く、③ひたすら謝る
◆ 陰口、悪口は死んでも言わない
◆ ひと言多い上司の味方につく
◆ 手柄は上司に譲ってしまおう
◆ 上司の武勇伝は積極的に聞く
◆ ゴマするのプロになろう
◆ いいウソをつく(=相手を褒めるウソ)
◆ 待ち合わせ場所に着く順番を意識する
◆ 相手のソーシャル・スタイルを見極める
◆ 他部署からの情報収集を怠らない
仕事のルールの最後には、著者が得意な「文章」に関するルールが記載されていて参考になります。主なポイントは以下の通り。
◆ 文章で謝罪するときは説明を充実させる
◆ メールは漏れなく、手短に
◆ クッション言葉をうまく使う
◆ 文章はさくっと書いて、じっくり読む
また、この本では章の区切りのところで、「章のまとめ」と「コラム」が掲載されていて、整理しやすいし、とくに「コラム」のテーマは、なかなか聞けない本音の部分が分かって、とても参考になります。コラムのテーマは次の通りです。
◆ 相手からの印象をアップする付け届けの極意
◆ 情報を載せすぎない美徳がある
◆ チャレンジできるかは「社風」と「年齢」で決まる
◆ 部下が失敗しかけているときの対処法
この本は、通常の自己啓発本やビジネス書で書かれていることと異なり、「できるだけ穏便に働くコツ」に焦点を当てて記していますが、内容は今のビジネス社会で非常に大切な要素を含んでいます。
うまく活用することで、あなたに共感を持ってくれる人脈を広げることができるため、本書を心から推薦します。
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では、今日もハッピーな1日を!