「子どもの頃に親しんだ仏像、そこから学んだ仏教の教えというものが、常に私の考え方の基本となりました。人生で大切なことはすべて仏教が教えてくれた、と言っても過言ではありません。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1958年武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー、以来、イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャンなどとして幅広く活躍、1977年に造語「マイブーム」が新語・流行語大賞受賞語になり、「ゆるキャラ」の命名者でもある、みうらじゅんさんが書いた、こちらの書籍です。
みうらじゅん『マイ仏教』(新潮新書)
この本は、著者が自分なりの言わば「マイ仏教」をお話することで、今までとは違ったアングルで、仏教に興味を持ってもらうために、古くからの「仏教ファンクラブ」の一人として、その魅力や楽しみ方、仏教から学ぶ生き方について話している書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.仏教少年
2.青春という名の「荒行」
3.諸行無常と諸法無我
4.地獄ブームと後ろメタファー
5.ご機嫌な「菩薩行」
6.いつも心に「マイ仏教」を!
この本の冒頭で著者は、「マイブームと称してこれまでも様々なモノにあれこれと夢中になってきた私ですが、子どもの頃から一貫してブームであり続けているものが、仏教なのです。」「子どもの頃に親しんだ仏像、そこから学んだ仏教の教えというものが、常に私の考え方の基本となりました。」と述べています。
本書の前半では、「仏教少年」および「青春という名の荒行」について、紹介・解説しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 仏像スクラップ7巻
◆ 仏縁の活字デビュー
◆ 法然上人のパーリ三帰依文
◆ ジョン・レノンの「イマジン」と「イマ寺院」
◆ フォークの神様・ボブ・ディランと釈迦
◆「好き」=「なりたい」
◆ 横尾忠則「ロック=アート」時代とジョージ・ハリスンの瞑想、インドブーム
◆ 大日本仏像連盟(大仏連)の結成と『見仏記』
この本の中盤では、「諸行無常と諸法無我」および「地獄ブームと後ろメタファー」について考察しています。主なポイントは次の通り。
◆ 四法印の教え(①諸行無常、②諸法無我、③一切皆苦、④涅槃寂静)
◆ 色即是空(形あるものは一時的な状態で、ないことと一緒)
◆ 死ぬことを前提としていかに生きるか(=あきらめる)
◆ 諸法無我は「自分なくし」、自分を変えるためにリセットする
◆ 釈迦の「四門出遊」(出家する覚悟)
◆ 八大地獄と128の小地獄
◆ 生きているときの「後ろめたさ」という感情を「後ろメタファー」と呼ぶ
◆ 宗教が怖いと思う理由は「団体感」
◆「フグ、カニ、スッポン」レベルのお布施
◆ 仏教に「おもしろい」を取り入れる
本書の後半では、「ご機嫌な菩薩行」および「いつも心にマイ仏教を!」について、以下のポイントを説明しています。
◆「機嫌」の語源は「謗り嫌うこと」
◆「ご機嫌を取る」ブーム
◆「生老病死」の四苦
◆「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五蘊盛苦」を加えた八苦
◆ 苦の原因を見極め乗る超える「四諦」(苦諦・集諦・滅諦・道諦)
◆ 道諦の涅槃に至る「八正道」(正見・正思・正語・正業・正命・正精進・正念・正定)
◆ 集諦にある「煩悩=欲望」をなくすこと
◆ 比較三原則(他人・過去・親と比較しないこと)
◆ 言葉の力は大きい(「南無阿弥陀仏」の念仏の力)
◆「そこがいいんじゃない!」
◆「不安タスティック!」
◆「でも、やるんだよ!」
この本の締めくくりとして著者は、「人は生まれた瞬間から余生のカウントダウンが始める。」と述べています。
「それを悲しいと取るのも、終わりがあるから生きていられると考えるのも人それぞれ」と続け、余生を「グレイト余生」と呼ぶことにしたそうです。そうすると、自分の人生が光り輝いて見えるのでしょう。
あなたも本書を読んで、「マイ仏教」の奥深さを味わってみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2774日目】