モンテッソーリ・メソッドで育った世界のイノベーターたちを紹介し、その効果の源泉は「自律」と「集中」にある、と説いている本があります。
本日紹介するのは、モンテッソーリ原宿子供の家の園長の堀田和子さんが監修し、同子供の家の教員で保育士の堀田はるなさんが書いた、こちらの書籍です。
堀田はるな『子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリメソッド』(あさ出版)
この本は、デビューから無敗のまま将棋の歴代最多勝利記録を更新した藤井聡太棋士が幼少時に学んだことで注目されているモンテッソーリ・メソッドについて、そのコンセプトや学んだ人の実践例などを解説している書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.はじめに~子どもの才能を伸ばす最高の方法
2.子どもの才能を伸ばすモンテッソーリ・メソッドとは
3.子供が育つ「環境」を整える【家庭編】
4.子供が育つ「環境」を整える【子供の家編】
5.小学校以降のモンテッソーリ・メソッド
6.おわりに~人間はいくつになっても成長する
この本の冒頭で著者は、以下の世界のイノベーターたちがモンテッソーリ・メソッドで学び、革新的な商品やサービスを世に送り出す活躍をしていることを紹介しています。
◆ ラリー・ペイジとセルゲイ・プリン(Google 共同創業者)
◆ ジェフ・ベゾス(Amazon CEO)
◆ ジミー・ワエルズ(Wikipedia を開始)
◆ マーク・ザッカーバーグ(Facebook 創業者)
◆ アンネ・フランク(作家)
◆ クリントン元大統領夫妻(政治家)
◆ バラク・オバマ前大統領
◆ ジョージ・クルーニー(俳優)
◆ キャサリン・グレアム(ジャーナリスト)
◆ ピーター・ドラッカー(経営学者)
◆ ヨーヨー・マ(チェリスト)
とくに、Google 共同創業者の二人は、出会った時から共通の「言語」を持っていたとメディアに語り、モンテッソーリ・メソッド(教育)は次のような効果を生んだと説明しています。
◆ 効果の源泉は「自律」と「集中」にあり、それによって創造性が育まれる
◆ 自由が与えられ、自分のペースで学び、何かを発見することが奨励されているので、自分の好きなことを追求できる
つまり、子どもが本来持っている「自分で生きる能力」を伸ばすか、伸ばさないかは、生まれた後の環境にかかっている、と本書では説明しています。
著者がモンテッソーリ・メソッドを実践している「子供の家」では、次のような人が育つそうです。
◆ 多様性を受け入れる
◆ 柔軟な発想ができる
◆ 問題解決能力が育っている
◆ 穏やかで優しい
そして自分の道を突き進んで成功を収める彼らに共通するのは、以下のような特徴です。
◆ 自分の得意分野を突き詰めている
◆ 枠にとらわれない柔軟な発想力と実行力
◆ 驚くほどの粘り強さ
モンテッソーリ・メソッドの具体的な内容ですが、次の3つを基本としています。
1.子どもの自主性を最大限にサポートする
2.生き方の基礎となる体験を提供する
3.「敏感期」にもとづいた関わりをする
第1の「自主性」については、子どもの「好き」に気づいて、集中しているときに邪魔をしないようにします。
第2の「体験」については、「モンテッソーリ教具」を使うほか、失敗と学びを経験し、諦めない強い心を育みます。失敗は「自分で問題を解決する」トレーニングなのです。
第3の「敏感期」とは、ある「特定の機能」を成長させる「特別な感受性」を持つ時期のことで、もともとは生物学の用語です。
生物は「敏感期」の働きによって本能的にさまざまな刺激に触れ、自らを成長させるようになっているのです。
具体的には、以下の4つの「敏感期」があります。
◆ 秩序の敏感期 2~3歳ごろ
◆ 感覚の敏感期 3~6歳ごろ
◆ 運動の敏感期 4歳半ごろまで
◆ 言語の敏感期 6歳ごろまで
こうした子どもの「敏感期」を予め知ったうえで環境を整えて対応するのが、親や教師の役割になります。
そうした中で、モンテッソーリ・メソッドは、以下の活動の5領域を持っています。
1.日常生活の練習
2.感覚
3.数
4.言語
5.文化
それぞれの活動の具体的な内容については、この本の終盤に詳しく紹介されていますので、興味ある方はぜひ、実際に手に取ってお読みください。
最後に、小学生以降のモンテッソーリ・メソッドのプログラムが、次の通り紹介されています。
【第1期】変容期 誕生~6歳: 敏感期の作用に伴って身体面、精神面の基本的機能を育てる
【第2期】一定成長期 6歳~12歳: 広い行動範囲、道徳観、心の抽象化、文化への関心
【第3期】変容期 12歳~18歳: 正義感、社会的な行動
【第4期】18歳~24歳: 専門的な探求、世界に貢献する適職
あなたも本書を読んで、世界のイノベーターを育てたモンテッソーリ・メソッドについて学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を