「職場のトラブルや悩みごとのほとんどはコミュニケーションによって引き起こされている」と指摘している本があります。
本日紹介するのは、モノづくりのプロセス設計と現場指導、品質管理、原価管理等を通じ、仕事の進め方や人材育成の基本を学んだ後、一部上場企業の人事部門にて、人材開発、人材採用、各種制度設計を手掛けて、組織力向上ノウハウなどを磨いた中尾ゆうすけさんが書いた、こちらの新刊書籍です。
中尾ゆうすけ『ミス・ロスが激減する!話し方・聞き方・伝え方』(明日香出版社)
この本は、多くの職場の中で実際によく起きる場面を具体的な事例をもとに、何が問題で、どうすればいいのかをわかりやすく、そして読みやすく、著者の体験をもとにまとめたものです。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.ミスが起きない 指示の出し方・受け方
2.トラブルを防止する ホウレンソウ
3.間違いは禁物! メール・電話
4.ムダなく効果的に行う プレゼン・会議
5.時間のロスを減らす 人の動かし方・伸ばし方
6.嫌われずにしっかり伝える 叱り方
この本の冒頭で著者は、「仕事の成果はすべて人によって決まる」ということ、そして「仕事は人と人との間で行われる」と、述べていて、コミュニケーションの善し悪しが、仕事の成果を左右することを指摘しています。
つまり、「話す」「聞く」「伝える」といった誰もが日常的に、無意識にやっていることをいかにうまくやるかによって、結果が変わるということです。
本書では、著者の経験をベースにして、①指示、②報告・連絡・相談、③メール・電話、④プレゼン・会議、⑤動かし方・伸ばし方(評価)、⑥伝え方・叱り方、という場面ごとに、具体的事例から導き出した、コミュニケーションのコツを、全部で50個、提示しています。
私が強く共感し、自らとくに心に留めている点を、以下に挙げます。
◆ 仕事の成果イメージを共有する
◆ 進め方をあらかじめ約束しておく
◆ 言いたいことを最初に言って、最後に確認する
◆ 専門用語はなるべく使わない
◆ 常識とは、限られた範囲の中でのみ通じる判断基準
◆ メモを取る基準は、「重要かどうか」
◆ 「ココだけの話」はここだけで済まない
◆ To-Do リストで仕事を見える化する
◆ 停滞なくタイムリーに報告する
◆ 否定せず、まずは受け入れる
◆ メールを読むか読まないかは受信者の判断
◆ プレゼンは相手と目的によって内容を決定する
◆ 話す内容に自信を持つ
◆ 本番までに不安がなくなるまで練習する
◆ 「失敗しても死ぬわけじゃない」と開き直る
◆ 伝えるべきことはきちんと伝える
◆ 会議は結論を出す場と意識する
◆ 思考フレームを持つ
◆ 「説得」ではなく「納得」で仕事の質は変わる
◆ 意見が対立したら、目的に立ち返る
◆ 仕事の重要度の基準を共有する
◆ 評価基準を明確にする
◆ 即答できないのは何も考えていないということ、まずはすぐに答える
◆ 注意はしてもいいが、叱責はダメ
◆ パワハラのチェックポイントは「何を言われても断れない」「断ったらあとが怖い」
◆ セクハラの基準は、相手の受け取り方、一律なやり方ではうまくいかない
◆ 罪を憎んで人を憎まず
◆ 気持ちを伝える I メッセージを使う
◆ 言うべきことは言う
◆ 正しくても言い方がある
これらのコミュニケーションのコツや工夫は、すべて具体的な場面での著者の経験をベースに導き出されているので、読んでいて「納得感」があります。
また、私たちも日々、職場で出会うことの多い事例が挙げられています。
最後の部分で著者の中尾さんは、「子供の頃からコミュニケーションが極端にできない人間でした。」と述べています。
したがって、「コミュニケーションに悩んでいる人、困っている人に最も近いのが、私ではないだろうか?」という思いで、著者は自らの経験をもとに、「どうしたらコミュニケーションによるトラブルが起きないかという方法」を伝えるためにこの本を書いたそうです。
あなたも本書を読んで、コミュニケーションのやり方、考え方、仕組みを改善することで、トラブルが起きない仕事の進め方をしていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を