書評ブログ

『メンタル脳』

「メンタルを安定させたくても、感情によってひどくつらい思いをすることもあります。しかし感情は危険なものではありません。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、スウェーデンのストックホルム出身で、カロリンスカ研究所(カロリンスカ医科大学)にて医学を、ストックホルム商科大学にて企業経営を修め、現在は上級医師として病院に勤務する精神科医で、多数の記事の執筆を行い、『スマホ脳』(新潮社)の著者でもあるアンデシュ・ハンセンさんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

アンデシュ・ハンセン『メンタル脳』(新潮新書)

 

この本は、「なぜ人間には感情があるのか」「感情があるせいで何が起きるのか」を説明し、「うまく人生を歩んでいくために、どのように脳をサポートすればよいか」を書いた本です。

 

本書は以下の9部構成から成っています。

1.なぜ私たちは生きているのか

2.なぜ感情があるのか

3.なぜ不安を感じるのか

4.なぜ記憶に苦しめられるのか

5.なぜ引きこもりたくなるのか

 

6.なぜ運動でメンタルを強化できるのか

7.なぜ孤独とSNSがメンタルを下げるのか

8.なぜ「遺伝子がすべて」ではないのか

9.なぜ「幸せ」を追い求めてはいけないのか

 

この本の冒頭で著者は、「脳には他の何よりも重要な任務があり、それは『あなたを生かしておくこと』です。」「脳はどんな犠牲を払ってでも、とにかくあなたに生きのびでほしいーそこで感情が重要になってきます。」と述べています。

 

本書の前半では、「なぜ私たちは生きているのか」「なぜ感情があるのか」および「なぜ不安を感じるのかついて、以下のポイントを説明しています。

◆ 人類の歴史の99.9%の時間では、半数が10代になる前に死んだ

◆ 私たちは、数百世代にわたって「正しい選択」をしてきた先祖の子孫

◆ 人間の脳は私たちを生きのびさせるために進化し、感情はそのための「道具」

◆ 脳は私たちをコントロールするために「感情」を使う

 

◆ 怖かったり勇気が出たりするのは、脳が私たちを「生きのびさせる」ためにしている

◆ 私たちは幸福を感じたままではいられない、それはサバンナで死を招くだけだから

◆ ストレスは「闘争か逃走か」のモードに入る身体のプロセス

◆ 不安は防御のメカニズム、脳が私たちを生きのびさせるための仕組み

 

この本の中盤では、「なぜ記憶に苦しめられるのか」「なぜ引きこもりたくなるのか」および「なぜ運動でメンタルを強化できるのか」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

◆ つらい思い出がよみがえるのは、脳が同じような危険から守ろうとするから

◆ 記憶は取り出すたびに変化する、口に出すことでつらさを減らす

◆ つわりもひきこもりも恐怖症も、脳が感染などから守ろうとしているもの

◆ 脳は危険に強く反応するようにできている

 

◆ 脳も身体の一部、身体が強くなればメンタルも強くなる

◆ 運動でうつのリスクは下がる

◆ 運動はストレスや不安を減らし、パニック発作や恐怖症に効果がある

◆ 運動で成績が上がり自信がつく、運動しない理由はない

 

本書の後半では、「なぜ孤独とSNSがメンタルを下げるのか」「なぜ遺伝子がすべてではないのか」および「なぜ幸せを追い求めてはいけないのか」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

◆ 他者と連帯できれば幸せを感じ、孤独になればストレスになる

◆ 孤独を避けるため、脳は記憶や意見を変えたりする

◆ 孤独はメンタルや身体の病気の確率を上げ、寿命も縮める

◆ キラキラしたSNSはメンタルを下げる、時間を制限すること

 

◆ メンタルの強さは遺伝や環境だけで決まるわけではない

◆ 運動することでメンタルを保てる可能性は高まる

◆ 脳は粘土のようなもの、睡眠、運動、長期的なストレス、友人などで変わる

◆ 幸せは追い求めれば逃げるもの、他者にとって意味あることに打ち込む

 

この本の締めくくりとして著者は、「私たちは身体を動かすようにつくられている。」「運動がうつや不安からも持ってくれる。」と述べています。

 

あなたも本書を読んで、私たちの脳が受け持つ任務を理解し、自分に優しくなり、自分の脳にも優しくなってみませんか。

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3326日目】