書評ブログ

『マンション格差』

「いったん買ってしまったマンションを、格差社会の中で有利なポジションに導くためにはどういう方法があるのか」「そもそもこの冷徹なマンション格差の厳しい現実から逃れる方法はないのか」について、方向を示してくれる本があります。

 

 

本日紹介するのは、一昨日に続いて、同志社大学法学部および慶應義塾大学文学部を卒業し、マンションの広告制作販売戦略立案などを手がけ、現在は一般ユーザーを対象にした住宅購入セミナーを開催するほか、新聞や雑誌に多くの記事を執筆する住宅ジャーナリスト榊淳司さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

榊淳司『マンション格差』(講談社現代新書)

 

 

この本は、人口や世帯数の減少によって住宅が確実に余ってくる現代において、マンションによる格差が歴然としてきていること、そしてその中でどうすれば「勝ち組」になれるのかを考察している書です。

 

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

 

1.マンションのブランド格差を考える-最初に格差をつけるのはデベロッパー

 

2.管理組合の財政が格差を拡大させる-大規模修繕工事「割高」「手抜き」の実態

 

3.価格が落ちない中古マンションとは-市場はいかにして「格付け」するのか

 

4.マンションの格差は「9割が立地」

 

5.タワーマンションの「階数ヒエラルキー」-「所得の少ない低層住民」という視線

 

6.管理が未来の価値と格差を創造する-理事会の不正は決して他人事ではない

 

7.マンション「格差」大競争時代への備え-賃貸と分譲を比較検討する

 

 

 

この本の冒頭で著者は、「マンションの資産価値」というのは、「中古物件としていくらで売れるのか」ということなのだ、と述べています。

 

 

マンションには、ブランド価値というのはなく、物件の持つ「本質」に注目せよ、と本書では解説しています。

 

 

 

資産価値を決める「マンションの本質」とは、著者によれば以下の要素だ、ということです。

 

 

◆ 管理組合の財政

 

◆ 大規模修繕工事のクオリティ

 

◆ 管理組合の総会議議事録で確認できる施工不良

 

 

◆ 小学校の通学区

 

◆ 立地が9割(中古が高値で取引される街)

 

◆ 駅からの距離の重要性(最低でも駅から10分以内)

 

 

 

今後日本には築30年~50年のマンションも増えていくのですが、この本の最後で著者は、マンションは鉄筋コンクリート造の頑丈な建物であり、施工不良でもない限り、50年以上は住み続けられる、と述べています。

 

 

さらに、上手にメンテナンスをしていけば、100年以上は住めるのではないかと予想する、と著者は言います。

 

 

そうした中で今後は、「マンション格差」が問われ、既存マンションによる、静かで激しい大競争時代が始まっている、と指摘しています。

 

 

 

本書の巻末には、特別付録として、「デベロッパー大手12社をズバリ診断」と題した各社の評価が掲載されていて参考になります。

 

 

 

あなたもこの本を読んで、今後ますます拡大する「マンション格差」の中で、「勝ち組」マンションを見分ける目を養っていきませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!