「泣けるビジネス書!」とSNSで話題沸騰となり、堀江貴文さんも「常識の先を歩く男の発想力と実行力を知ってほしい」と推薦する書があります。
本日紹介するのは、お笑いコンビのキングコング西野亮廣さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
西野亮廣『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』(主婦と生活社)
この本は、漫才師、絵本作家、イベンター、校長、村長、そして上場企業の顧問にも就任した西野亮廣さんが、肩書を自由に飛び越え、オンリーワンの人生を送るための羅針盤を示してくれる書です。
この本の前半で著者は、お金の話をしています。結論は、「マネタイズのタイミングを後ろにズラすと “ 面白い ” の可能性は増える。そして今は、それができる時代だ。」と述べています。
分かりやすい例として、著者の友人であるホームレス小谷の生き方を紹介しています。
ホームレス小谷は、50円で自分の1日を売り続け、「信用」を積み重ねていきます。引越しの手伝いでも、草むしりでも、写真のモデルでも、丸1日働いて50円です。
そうやってインターネットで自分の1日を50円で売り続け、「こんなに働いてくれてありがとう」という恩、つまり「信用」を50円とともに獲得してきた、と言います。
そうやって毎日毎日、お金ではなく「信用」を積み重ね続けてきたホームレス小谷が、結婚式を挙げるための費用をクラウドファンディングで集めたところ、3週間で250万円が集まった、ということです。
資金支援をしてくれたのは、ホームレス小谷の1日を50円で買った人たち。「あの小谷君が結婚式を挙げるなら、そりゃ、もちろん支援するよ!」と、このタイミングで恩が返ってきました。
その後、ホームレス小谷は、何かの企画の折に立ち上げるクラウドファンディングは連戦連勝だと言います。現代のビジネスでは「信用の面積をいかに広げるか」が最大のポイントだ、と本書では述べています。
著者の西野さんのこうした発想は、リクルート出身で、東京都で民間初の中学校校長になった藤原和博さんが書いた『必ず食える1%の人になる方法』(東洋経済新報社)の影響を大きく受けています。
この本はほんとうにいい本で、私も「自分の生き方」に採り入れているだけでなく、会社員時代に人事・研修の責任者として、社員研修にも使っていました。
西野さんも本書で紹介していて、ザックリ説明すると、と前置きして、以下のように解説しています。
◆ アルバイトの時給が安いのは「誰でもできる仕事だから」で、収入をアップさせるには自分を「レアカード化」する必要がある
◆ レアカード化するには、まず「1万時間の法則」で、1万時間かけてAという専門性を磨き「100人に1人」になる
◆ 次にAという専門分野でトップをめざすのではなくBという別の分野に1万時間を投じて「100人に1人」になる
◆ AとBという2つの専門分野を掛け合わせて「100分の1×100分の1」で「1万分の1」になる
◆ さらに3つ目のCという全く違う分野でまた、1万時間を投じて「100分の1」になり、ABC3つの掛け合わせで、「100万分の1」を狙う
◆ ABCの3点を結んでできた三角形の面積が、その人の需要で、この三角形をクレジット(信用)と呼ぶ
◆ 仕事やお金は、このクレジット(信用)の中から生まれるため、ABCは離れているほど三角形の面積が大きくなっていい
◆ 「お金を稼ぐにはどうしたらいいか」という問いに対する答えは、「クレジットの面積を広げる」こと
この本で提唱している通り、藤原和博さんが実践してきたのと同様に、西野亮廣さんも、できるだけかけ離れた3つの「専門性」をマスターして、三角形でできる「クレジット(信用)の面積」を拡げようとしているわけです。
本書の後半では、著者が呼びかけたイベント「渋谷ハロウィンゴーストバスターズ」(ハロウィン翌朝のゴミ拾い)や、「ニューヨークでの個展」、「世界一面白い学校 “ サーカス ” 」の運営など、西野さんが発想・企画して実現した実績とその舞台裏が書かれていて興味深いです。
そして最も印象的なのは、絵本の制作についてのストーリー。「絵本はなぜひとりで創作されているのか」という著者の疑問が出発点となり、総勢33名のイラストレーター、クリエーターが参加し、圧倒的なボリュームとクオリティの作品を目指しました。
その成果が、にしのあきひろ『えんとつ町のプペル』(幻冬舎)です。
この絵本は、売り方の工夫もしていて、発売3ヶ月前で1800冊が売れている、と言います。2016年10月21日発売ですが、大きな反響を巻き起こし、大ヒットとなるでしょう。
目標は何と、「ウォルト・ディズニーを越えること」で、まだまだ話にならない、と著者は言いますが、今後は街づくりにも挑戦したい、ということです。
まさに、とてつもなく「大きなクレジット面積」を目指し、三角形の3点をなるべく遠くに離す著者の生き方に、私は共感しています。
あなたも本書を読んで、藤原和博さんや、本書を書いた西野亮廣さんのが進む「道なき道の歩き方」を学んで、生きる指針にしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を