「アドラー心理学の創始者のアルフレッド・アドラーは専門家だけに自分の心理学が使われることを忌み嫌い、アメリカ国内で一部の精神科医を敵に回しても自分の心理学が庶民に届くことを願っていました。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1947年栃木県生まれ、早稲田大学卒業後、外資系企業の管理職などを経て、1985年にヒューマン・ギルドを設立し、アドラー心理学に基づくカウンセリンング、カウンセラーの養成をしてきた有限会社ヒューマン・ギルド代表取締役、ハリウッド大学院大学客員教授、アドラー心理学カウンセリング指導者、中小企業診断士の岩井俊徳さんが書いた、こちらの書籍です。
岩井俊徳『サクッとわかるビジネス教養 アドラー心理学』(新星出版社)
この本は、アドラー心理学を冠した数限りなくある本の中で、もっとも平易で、実生活に役立つように工夫に工夫を重ねた書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.アドラー心理学の柱は「勇気」
2.自分のことをもっと知るために
3.弱っている自分との向き合い方
4.人間関係で悩まないためのアドラー心理学
この本の冒頭で著者は、次の「アドラー心理学の3大特徴」を紹介しています。
◆「自己決定論」を学ぶことで自身の人生の主人公として生きる指針が与えられる
◆ものごとの「原因」より「目的」に視点を移し、シンプルに捉えられるようになる
◆「勇気づけ」を身につけることで、人間関係の困難を克服できる
本書の前半では、「アドラー心理学の柱は勇気」について、以下のポイントを説明しています。
◆ アドラー心理学は「勇気づけ」の心理学で、「共同体感覚」(仲間とのつながりや絆)がベース
◆ アドラー心理学の5つの要素:①自己決定論、②目的論、③全体論、④認知論、⑤対人関係論
◆ 人間関係を築く4つの要素:①共感、②信頼、③尊敬、④協力
◆「勇気づけ」の5つの方法:①ヨイ出し、②加点主義、③プロセス重視、④失敗は成功のための糧、⑤感謝
◆ 自分を勇気づける4つのカギ:①所属感、②信頼感、③貢献感、④自己受容
◆ 悩みを切り分けるライフタスクとライフスタイル
◆「心のメガネ」を忘れてしまうベーシック・ミステイク(決めつけ、誇張、見落とし、過度の一般化、誤った価値観)
◆ 生老病死(=仏教の「四苦」)は誰にでもいつかは訪れるのいで、受け入れる勇気を
この本の中盤では、「自分のことをもっと知るために」および「弱っている自分との向き合い方」について考察しています。主なポイントは次の通りです。
◆「共同体感覚」で居場所を確認
◆ 自己決定により、考え方や行動を変えることができる
◆ ライフスタイルの4タイプ:①安楽型、②喜ばせ型、③コントロール型、④優越型
◆ Should-Must の呪縛から、Not Always へ
◆ 前向きになれるセルフトークを(CHA:チャンス、チェンジ、チャレンジ)
◆ 承認欲求は劣等感の裏返し、自分にヨイ出しを
◆ 目標は人それぞれ、課題を分割し、目の前の一歩を
◆ 同調圧力や承認欲求・失恋恐怖が強い日本人にアドラー心理学はピッタリ
◆ 失敗はチャレンジの証、失敗から学んで貢献できることを見つける
◆ 過去の失敗は「変えられないもの」で、受け入れる
◆ ほどよい状態(=Good enough グッド・イナフ)
◆ 幸せの基準は自分次第、「幸福イメージ」を持つ
◆ 自分の品位と自尊心を守る
◆ 人生は課題・克服の連続
本書の後半では、「人間関係で悩まないためのアドラー心理学」について解説しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 自己受容と他社を受け入れる寛容さを
◆「ダメ出し」より「ヨイ出し」で共同体感覚を
◆「劣等感」ではなく、「伸びしろ」と考える
◆「ほめる」のではなく、「勇気づける」
◆ より早く尊敬・信頼、より多く尊敬・信頼
◆ すぐマウントを取ってくる人への対応は、優越コンプレックスがキーワード
◆ 私的論理が共通感覚に至るには、「共感」が必要
◆ 相互尊敬・相互信頼、目標の一致、協力が大切
この本の締めくくりとして著者は、「この本への監修者の想い」として、「とにかく平易で、実生活に徹底的に役立つものになるように、妥協を許さずチェックを重ねて出来上がった」と述べています。
あなたも本書を読んで、「アドラー心理学」を学び、勇気と希望を携えながら実生活に役立つように活用してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2919日目】