「職場であれ家庭であれ、人は絶えず競争したり協調したりしており、しばしばその二つを同時に行っている」と述べている本があります。
本日紹介するのは、アダム・ガリンスキー・コロンビア大学ビジネススクール教授とモーリス・シュバイツァー・ペンシルベニア大学ウォートン校教授の共著である、こちらの新刊書籍です。
アダム・ガリンスキー、モーリス・シュバイツァー『競争と協調のレッスン コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学』(TAC出版)
この本は、競争と協調のあいだで絶え間なく続く綱引きの根底にある、以下の3つの要因について考察しています。
1.資源には限りがある
2.人間は社会的な生き物である
3.我々を取り巻く環境は常にめまぐるしく変化している
そして、協調と競争という二つの相反するスタンスに対する新しい考え方を探っている書です。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.「身近な人との比較」を前向きな力に変える
2.トップに立ったら「権力を持った自分」を客観的に見る
3.組織に序列があることのメリットとデメリットを知る
4.男女平等が進むと組織は成功する
5.30分でも信頼は手にいれられる
6.嘘から身を守るのは「信頼、されど検証」
7.失敗したあとに復活できる人、できない人~謝罪の法則
8.取引を有利に進めるためには相手の立場を知る
9.条件を提示するのは「さき」と「あと」、どちらがいいのか?
10.交渉の最後に笑顔はいらない
この本では、各テーマの最後に、「正しいバランスの見つけ方」が整理して書かれています。その根底には、「人間は競争か協調のどちらか一方ではなく、どちらも行うよう進化を遂げてきた」という考え方があります。
例えば、比較を前向きな力に変えるには、次の3つが鍵になります。
1.その比較が適切なものかどうか見極める
2.新たな挑戦に目を向けて、敗北感をモチベーションに変える機会を作る
3.自分の成功が他人を嫌な気分にさせるかも知れないという意識を持つ
そのほか、権力を持った場合のバランス、組織に序列がある場合のバランス、男女平等を進める場合のバランス、長期の関係を築く場合のバランスなどについて、本書では解説しています。
またさらに、以下のような観点で、正しいバランスの見つけ方が、本書では考察されています。
◆ 信頼しつつ検証を怠らない
◆ 謝罪しやすくなるような仕組み
◆ 共感か敵対か、相手との距離感を見極める
◆ 「さき」と「あと」のい判断基準
◆ 強気に出つつ、心の中では金額と選択肢に幅を持たせる
この本の最後では、「交渉の最後に笑顔はいらない」、「最後まで気を抜いてはならない」という原則を説明していて、合意に達したときの態度や表情にも注意するよう呼びかけています。
あなたも本書を読んで、会社や組織において、「競争」と「協調」は二者択一ではなく、両者のバランスを取りながら、ビジネス社会であなたの身を守っていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を