書評ブログ

『コロナ大恐慌 中国を世界が排除する』

新型コロナウィルス感染症の拡大により、大倒産時代が到来し、中国抜きのサプライチェーン大変革が起こると予言する本があります。

 

 

本日紹介するのは、日本学生新聞編集長などを経て中国ウォッチャーとして多くの著作がある宮崎正弘さんと、貿易会社に勤務した後、複数の企業運営に携わり、内外の政治・経済分析に定評がある作家・経済評論家渡邊哲也さんの対談を中心とした、こちらの書籍です。

 

 

宮崎正弘・渡邊哲也『コロナ大恐慌 中国を世界が排除する』(ビジネス社)

 

 

この本は、新型コロナウィルス感染症の拡大という今、起きていることの真相各国政府や巨大企業の思惑、そして、これから何が起きるかを予測している書です。

 

 

 

本書は以下の8部構成から成っています。

 

 

1.平成の30年を終えて迎えた「戦争の時代」

 

2.武漢パンデミックで世界から親中派が消える

 

3.中国排除後の世界

 

4.半導体・スマホ・ポスト5G、世界「技術戦争」の行方

 

 

 

5.中国経済に依存した世界の悲劇

 

6.中国進出企業とソフトバンクの末路

 

7.コロナ恐慌でどうする日本

 

8.総点検、日本企業は中国から逃げられるのか?

 

 

 

この本の冒頭で著者は、「今回、武漢発のパンデミック、新型肺炎の蔓延によって、一挙に竹のカーテン=バンブーカーテンが下りた。」と指摘しています。

 

 

 

中国の情報隠蔽WHOテドロス事務局長の、あからさまな中国擁護により、パンデミックとなったことに対し、米国をはじめ世界から中国に批判が集中している、と著者は述べています。

 

 

 

アメリカは「TAIPEI法」(=台湾支援法)可決により台湾に急接近しており、トランプ大統領は、新型コロナウィルス「武漢ウィルス」「中国ウィルス」と呼んでいます。「武漢テドロス・ウィルス」と呼ぶべきとの声も上がっています。

 

 

 

本書によれば、中国との関係の深さと、今回の感染拡大とは密接な関わりがあり、日本を含めて以下のような分析を記しています。

 

 

◆「一帯一路」に乗ったイタリアでは入国した中国人がウィルスをまき散らした

 

◆ 軍人交流が密接なイランでは、中国軍人から感染が拡大した

 

◆ 中国人観光客や習近平総書記の来日予定を忖度した日本では、中国人の入国制限が遅れ、感染拡大を招いた

 

◆ 米国も在米中国人や人種のるつぼであるニューヨーク州で感染拡大となった

 

◆ 感染前から関係悪化で渡航者制限をしていた台湾は、最も早い対応で中国人の入国を禁止して感染を封じ込めた

 

 

 

また、本書の中盤以降でも、次のような興味深い分析が随所に出てきて参考になります。

 

 

◆ グローバリズムとは、世界経済の中国依存に過ぎず、メリットがあるのはGAFAなど巨大IT企業と中国政府のみ

 

◆ GAFAなど巨大IT企業は、中国政府に人民監視の技術を提供、代わりに安い人件費とデータセンターコストを得ている仕組み

 

◆ パナマ文書で明らかになったように、GAFAなど巨大IT企業は、タックスヘイブンを使ったフリーライダー

 

◆ 通貨スワップ協定のない韓国は3度目の通貨危機が必至

 

 

 

◆ 新型コロナウィルスで、中国と世界とのヒトの流れが遮断、いずれモノやカネの流れも止まる

 

◆ ソフトバンクのビジョンファンド投資先は経営危機が続出

 

◆ 日本の消費を増大させ、日本経済を活性化するには「消費税ゼロ」しかない

 

◆ 韓国への輸出規制3品目の売上は、わずか154億円、これが止まると韓国で作れなくなる製品が20兆円ある

 

 

 

◆ 半導体を組み立てる半導体装置や材料は日本だけしか安定的な製品が出来ず、10倍の価格で売ってもいい

 

◆ 核心技術は公開せず、周辺特許をすべて押さえて本丸はブラックボックス化する知的財産を守る特許戦略が重要

 

◆ サプライチェーン最適化の名目で、日本政府は脱中国に動き出した

 

◆ 中国が制約、医薬品大国にのし上がってきたことは注意

 

 

 

あなたも本書を読んで、コロナ大恐慌により、世界が中国を排除する動きについて考察してみませんか。

 

 

 

2020年6月6日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第117回】コロナ大恐慌で進む「中国排除」にて紹介しています。

 

 

 

 

 

毎日1冊、ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。

 

 

 

 

では、今日もハッピーな1日を!