「子どものいない方、子どもに頼れない方でも、しっかりと資産・生活防衛のための備えをされている方も多くいらっしゃいます。そういった方々は、不安を解消するため、当事者意識をもちながら積極的に情報収集をしています。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1983年生まれ、北九州市出身、関西学院大学法学部卒業後、司法書士のぞみ総合事務所を開設、政令指定都市の中で最も高齢化が進む北九州市で、相続・遺言・成年後見業務を多数扱っている岡信太郎さんが書いた、こちらの書籍です。
岡信太郎『子どもなくても老後安心読本 相続、遺言、後見、葬式・・・』(朝日新書)
この本は、超高齢社会に突入し、人生100年時代になりつつある日本社会において、終活の現状、単独世帯の急増、平均寿命と健康寿命の関係を踏まえたうえで、これから取っておくべき対策について解説し、子どものいない世帯や単独世帯の方が知っておかないと困る制度を紹介・説明している書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.終活の前に人生100年時代に備える
2.子どものいない世帯、単独世帯に起こり得る話
3.まずは夫婦で「たすき掛け遺言」を作成する
4.いつかは1人になるあなたの老後や介護、誰に頼む
5.1人になったらあなたが認知症になったら、誰に任せる
6.自分の死後の準備、そして誰に頼む
7.最愛のパートナーが死亡ーそのときあなたに起きること
8.司法書士事務所の現場から
この本の前半で著者は、「人生100年時代への備え」および「子どものいない世帯、単独世帯に起こり得る話」を紹介しています。主なポイントは以下の通り。
◆単独世帯、子どものいない夫婦のみの世帯が急増
◆ 平均寿命よりも健康寿命を意識して準備すべき
◆ 財産管理、施設入居、葬儀・お墓・遺産についての希望をどう伝えるか
◆ 契約行為や不動産処分などの意思決定
この本の中盤では、夫婦での「たすきがけ遺言」、1人になったときに「老後、介護」および「認知症」のサポートを誰に頼むかについて考察しています。ポイントは次の通りです。
◆ 遺言でできること、できないことがある
◆ 相続トラブルを防ぐには、「夫婦のたすきがけ遺言」が有効
◆ 公正証書遺言と自筆証書遺言はそれぞれメリット・デメリットがある
◆ 元気なとき、身体不自由のとき、判断能力が不十分のとき、亡くなったときに応じた対応策がある
◆ 財産管理等委任契約、任意後見契約は発動のタイミングが異なる
この本の後半では、自分の「死後の準備」および「パートナーの死亡時」について何が起こるかを解説しています。著者が挙げているポイントは以下の通り。
◆ 相続人と遺産が正確に把握できるようにする
◆ 戸籍謄本、住民票、印鑑証明書が代表的な必要書類
◆ 法定相続情報証明制度は、戸籍上の相続関係を法務局の登記官が証明するもの
◆ 戸籍の附票によって住所を証明できる
本書の最後で著者は、「司法書士事務所の現場から」と題して、相談の実態を紹介しています。著者が発するメッセージは次の通り。
◆ 子どもがいない、頼れないとしても、誰かに頼む方法がある
◆ 口頭でお願いしただけでは、法的な拘束力や権限を持たない可能性が高い
◆ 人生100年時代と言われても、身体が不自由になったり、認知症を発症したりするなどのリスクが潜んでいる
◆ 遺言、財産管理等委任契約、任意後見、死後事務委任契約は、元気な内でないと準備できない
あなたも本書を読んで、ライフスタイルに合わせながら、「安心老後」のための準備を始めてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2553日目】