2012年11月は日本の電子書籍にとって歴史的な日になりました。米国から遅れること5年、ついに日本にアマゾン・キンドルがやって来たからです。
電子書籍は決して「電子端末で読む本」だけを指す言葉ではありません。好きな時に好きな本を購入でき、購入した本はすべてクラウド上で管理され、キンドル、スマートフォン、タブレットなどデバイスを問わずに本が楽しめるものです。
本の感想を書き込めば世界中の読者と感想を共有できたり、本の置き場所に困ることもありません。また何冊でも何十冊でも本を持ち歩けます。電子書籍とは、そしてキンドルとは、こうした「読書システム」そのものです。そこで今日、紹介したいのはこちらの本です。
武井一巳『Kindle 新・読書術 すべての本好きに捧げる本』(翔泳社)
この本は、1955年長野県生まれのジャーナリスト武井一巳さんによるKindleを使った「読書術」に関する本です。
著者の武井さんによれば、キンドルは単なる「電子書籍リーダー」ではなく、本であり本屋であり本棚でもあります。武井さんはキンドルを使って本を読みまくるうちに「本は紙でなくても構わないにではないか」という意識が芽生え始め、「これからは電子書籍の時代だ」と感じて、何と2万冊の蔵書を全て手放したということです。
この本の構成は以下の5部から成っています。
1.キンドルって何?- キンドルと電子書籍の基礎知識
2.キンドルで読書を楽しもう!- キンドルで読書が “もっと”楽しくなる!
3.キンドルが実現する新しい読書スタイル- キンドルで読書はこう変わる!
4.キンドルに「読み物」を集めよう!- 自炊&自作でキンドルを充実させる!
5.キンドル内の本を整理しよう!- 大量の蔵書を効率管理
この本の前半で、武井さんは「キンドルで読書がどう変わるか」を記しています。電子書籍のメリット(便利な点)について以下の項目を挙げています。
1.何百冊もの本を手軽に持ち歩ける
2.読みかけの部分を記録しているため別の本を並行して読める
3.自宅や通勤途中など、どこにいても欲しい本を買って読むことができる
4.気になる言葉など、どこにいても検索できる
5.気になる文節などにマーカーを付けて他の読者と共有できる
また、デメリット(不便な点)については以下の項目を挙げています。
1.欲しい本をいつでも買えるため本にかかる出費が増える
2.電子書籍化が遅れているため欲しい本すべては手に入らない
3.何冊も同時に開いて参照するといった使い方には向かない
4.バッテリーがなくなると本も読めなくなる
5.装丁や本、紙の手触りや匂いがない
6.友人との本の貸し借りが難しい
米国ではキンドルは中高年によく売れていると言われています。文字の大きさやフォントを変えられるなど、読み易いようにカスタマイズできるからでしょう。
この本の中盤から後半にかけては、「ソーシャル読書」や「電子書籍出版」についても触れられています。積極的な読書や自らの書籍を出版・販売することまで手軽にできるようにしたのが「キンドル」という「読書システム」です。
私自身もキンドルはすでにペーパーホワイト2台目を使っています。①欲しくなったその場で「本の即買い」が可能な点、②何冊でも端末に入れて持ち運べる点、③セールなど安価なキャンペーン購入ができる点、④英書の読解で単語の電子辞書機能が使い易い点、などの理由で、手放せないツールになっています。
読書のやり方について選択肢を飛躍的に広げたキンドルや電子書籍をぜひ、皆さんもフルに活用してみませんか。
では、今日もハッピーな1日を!