「健診結果をうまく生かせるひとは、決して多くありません。何しろ結果を見ても、数字や記号が何を意味しているのか、チンプンカンプンだからです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1959年東京都生まれ、筑波大学理工学研究科修士課程修了(理学修士)、オリンパス光学工業株式会社(現オリンパス株式会社)、株式会社KDDI研究所(現株式会社KDDI総合研究所)、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授などを経て、現在は長浜バイオ大学バイオデータサイエンス学科教授の永田宏さんが書いた、こちらの書籍です。
永田宏『健診結果の読み方 気にしたほうがいい数値、気にしなくていい項目』(講談社+α 新書)
この本は、健診でよく出てくる項目について、臓器別・病気別にまとめて解説している書です。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.身体計測
2.血圧と心肺機能
3.血算検査
4.糖尿病
5.脂質
6.肝機能
7.腎機能
8.痛風と関節リウマチ
9.視力と聴力
10.がん検診
この本の冒頭で著者は、「本書には、最新の特定健診データも載せておいたので、もし健診で異常を指摘されても、自分がどの辺りにいるのか、すぐに分かります。」と述べています。
本書の前半では、「身体計測」「血圧と心肺機能」および「血算検査」ついて、以下のポイントを説明しています。
◆ BMI:3割以上をメタボとしてしまう基準値、中高年は 少しメタボの方が長寿
◆ 血圧: かつては「年齢+90~100」が基準値(65歳なら160程度)
◆ 老年期では、低血圧が認知症のリスクに
◆ 慢性白血病患者の大半は、健診がきっかけで見つかった人
この本の中盤では、「糖尿病」「脂質」および「肝機能」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 血糖値: 60代男性の2人に1人は基準値100以上、急に上がったら膵臓がんの疑い
◆ LDLコレステロールが過剰でHDLコレステロールが少ないと動脈硬化・脳梗塞のリスク
◆ 総コレステロール: 低い方が問題で、内分泌科か血液内科を受診
◆ AST、ALT: 100を超えてくると肝臓に問題
本書の後半では、「腎機能」「痛風と関節リウマチ」「視力と聴力」および「がん検診」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ クレアチニン: 筋肉量が多い男性は高め
◆ eGFR: 腎臓が弱っている初期は自覚症状がないので注意(44.9以下は異常)
◆ 尿酸値: サウナで血液濃度が上がると上昇
◆ がん検診はメリットもデメリットもある
この本の締めくくりとして著者は、がん検診のメリットとデメリットについて、「がんは日本人の死因の第1位です。」「4人に1人ががんで亡くなった」「一生のうちにがんに罹る確率は、男女とも50%を超えています。」と述べています。
そして、がん検診を受けるか受けないかは自己責任、メリットとデメリットの両方があるので難しいところです、と続けています。
あなたも本書を読んで、健診結果の読み方を学び、改めて数値のチェックをしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3363冊目】