「人生は“設計図”を持つ者だけが、意義ある道を歩める」――
半世紀以上前に書かれたにもかかわらず、今なお鮮烈に響く “人生哲学” をまとめた本があります。
本日紹介するのは、1866年(慶応2年)埼玉県生まれ。苦学の末に東京山林学校へ進み、ドイツに私費留学して国家経済学博士号を取得。帰国後は帝国大学農科大学の助教授として研究に励みながら、「月給4分の1天引き貯金」と「1日1頁の原稿執筆」を40年以上続けた人物。日比谷公園の設計、明治神宮の造林など国家的事業に携わり、独自の蓄財哲学を実践して莫大な財を築きながら、停年退官時に全財産を匿名寄付。「人生即努力、努力即幸福」を生涯貫き、370冊超の著作を残した、本多静六さんが書いた、こちらの書籍です。
本多静六『人生計画の立て方』(実業之日本社新書)
この本は、偉大な先人が「人生計画こそ幸福の源」と語り、若い世代から熟年世代まで役立つ “骨太の人生指南” が詰まった名著です。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.人生計画の立て方
2.人生計画の立て方・進め方
3.我等いかに生くべきか
本書の前半では、なぜ人生に「設計図」が必要なのか、その根源的意義が語られています。
本多静六の名言はどれも普遍的で、現代にも十分通用します。
◆ 人生は「計画を立てる者」と「流される者」に分かれる
◆ 若い頃の“努力の蓄積”が一生の財産になる
◆ 職業の精進によって人格が磨かれる
◆ 時間を味方につける者だけが幸福に近づく
◆ 活動するほど新しい希望が生まれ、老いを遠ざける
この本の中盤では、人生計画をどのように実践へ落とし込むかが、極めて実務的に書かれています。100年前の本とは思えないほど、今日にも直結するヒントが満載です。主なポイントは次の通り。
◆ 計画は「小目標の積み重ね」で必ず達成できる
◆ 習慣化こそ人生最大の技術
◆ お金の蓄積は “その他の蓄積(知識・徳・経験)” を学ぶ道具
◆ 自助努力の精神が人生の基盤をつくる
◆ 計画の軌道修正は怠らず、常に前向きに生きる
本書の後半では、“いかに生きるべきか” という人生全体の問いに対し、哲学的かつ実践的な答えが示されています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 人生は「努力の総量」で幸福度が決まる
◆ 希望を失わない限り、人は決して老いない
◆ 正しい労働観を持つことが人格形成につながる
◆ 健全な蓄財観が人生の安定をもたらす
◆ 多くを求めず、淡々と積み重ねる者が大成する
AI時代を迎え、“効率”や“スピード”ばかりが語られる現代。しかし、人生そのものと向き合うとき、大切なのは本多静六が語る「地道な蓄積」「正しい人生観」「揺るぎない計画」です。
短期的な変化に惑わされず、長い人生をどう歩むか。そのための指針が明快に示された、時代を超えて読み継ぐべき良書で、お薦めです。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のYouTubeビジネススクール』でもレビュー動画を公開しています。ぜひご覧になり、チャンネル登録をお願いします!
https://www.youtube.com/channel/UCIwJA0CZFgYK1BXrJ7fuKMQ
では、今日もハッピーな1日を!【3934日目】








