今まで表に現れなかった細かい情報を感知したり、未来を鋭く見通したりするための「スイッチを入れる」能力を持ち、データを原動力として未来で成功する組織モデルを「マセマティカル・コーポレーション」と名付けて分析している本があります。
本日紹介するのは、アメリカの技術・経営コンサルティング会社で、マシン・インテリジェンスの先駆者と呼ばれるジョシュ・サリヴァンとアンジェラ・ズタヴァーンの共著による、こちらの書籍です。
ジョシュ・サリヴァン・アンジェラ・ズタヴァーン『人工知能時代に生き残る会社は、ここが違う! リーダーの発想と情熱がデータをチャンスに変える』(集英社)
この本は、フォード、インターコンチネンタルホテルズ、NASAなどの組織の例を紹介しながら、膨大なデータを解析して新たな事実を発見したり、埋もれていた細かい事例をすくい上げることにより、常識や制約にとらわれないアイデアを生み出し、実現していくメカニズムを明らかにしています。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.秘められた世界 埋もれている細かさを攻略する
2.類いまれな連携 マシンと人の知性を融合させる
3.不可能を可能にする問いかけ 制約があるという思い込み
4.不可能を可能にする技術 最新の技術を使いこなす
5.不可能を可能にする戦略 新たな「大きなもの」を生み出す
6.力を広める 実現のとき
7.善か悪か。議論は突然沸き起こる 不可能を可能にする戦略と倫理
8.不可能を可能にする解決策 社会の最大の問いに答える
この本の冒頭で著者は、データ処理技術が発達し、ビッグデータの活用が可能になり、人工知能が様々な面で人間を超える中で、その技術を生かすポイントは、人間の想像力と豊かな知性だと説明しています。
そして本書で示しているのは、解決が不可能に思える問題と、不可能を可能にする技術や解決策についてです。
それは、複雑さから何かを得るために、新しいリーダーシップの原則を学ぶこと、つまり、スケールが大きくて大胆な、直感に逆らうアイデアに注目することです。
つまり、今の考えを方向転換させる、向きを180度変える、反対車線を走る逆向きの考え方を手にするなど、マセマティカル・コーポレーションを率いるためのリーダーの能力で、それを「未来力を手にする方法」と著者は呼んでいます。
現在のアメリカの労働人口の47%は、マシン(コンピュータや搭載機械)に職を奪われる一歩手前と言われています。
ビッグデータを分析し、マーケティングや経営の改善に貢献するデータサイエンティストは、IT人材の中でも特に不足しているそうですが、今後は次世代のデータサイエンティストとも言うべき人材の育成が世界中の課題になってくる、とこの本では指摘しています。
組織を変革したいリーダーや、ビッグデータのより効果的な活用を考えているデータサイエンティストを初めとするプロフェッショナルな人たちに、本書を強くお薦めします。
あなたもこの本から、人工知能時代に生き残る会社の要件を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を