「問題を課題に変えられるようなクセをつけるだけで、無数の選択肢から自由に道を選び取り、自分が思い描くとおりに人生を形作っていくことができる」と述べている本があります。
本日紹介するのは、立教大学卒業後、株式会社オリエンタルランドに入社し、東京ディズニーシー開業時に数千人の導入研修に従事、その後ユニバーサルスタジオ・ジャパンのV字回復施策の立ち上げメンバー、コミュニケーション・エナジー取締役を経て、現在は株式会社ワンダーイマジニア代表取締役の今井千尋さんが書いた、こちらの書籍です。
今井千尋『一瞬の選択力 瞬時にベストな解を出す方法』(内外出版社)
この本は、たったの「5秒の思考」で未来が変わることを解説し、瞬時にベストな解を出す方法、すなわち「一瞬の選択力」について述べている書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.プロローグ-たった「5秒の思考」で未来が変わる
2.「感情」がすべてを決めている
3.「思考」のクセを変える
4.「行動」のクセを変える
5.「言葉」のクセを変える
6.圧倒的に「選ばれる人」になる
この本の冒頭で著者は、何かに直面(=コンフロント)した最初の5秒間を、つねに「自分がやるべきことをしっかり自覚し、まるで当たり前のようにベストな行動を選択していく最初の扉を開く5秒間」にできる、そんな自分になっていただくために本書がある、と述べています。
何か困難なことが起きたときや、何か「やらなくてはいけないこと」があるときに、「やらない理由」を考え出して逃げるか、即座に行動する道を選ぶか、これは普段の思考のクセによって、ほぼ自動的に決定されるということです。
これを著者は「問題を課題に変える力」と呼んでいますが、人類最大級のミッションを叶えた考え方として、アメリカ元大統領のジョン・F・ケネディの例を挙げています。
「10年以内に人間を月面に着陸させ、安全に地球に帰還させる」という声明です。そして、それは1969年に実現しました。
問題を課題に変える思考のクセは、人生を根底から変える力を秘めています。そこで問われるのは「どうやるか」ではなく、「自分は何者なのか」という「あり方」であり、「使命はいかに」ということなのです。
これは、アメリカのテレビ司会者、メル・ロビンズが提唱している「5秒の法則」からヒントを得ています。
そして本書では、人間の感情、思考、行動、言葉のメカニズムを解き明かしながら、自分の人生を自分の力で好転させる方法を説明しています。
まず、人生のすべて(周りの人との関係、物事の進み具合、仕事などの成果)を左右するものが「感情」だと述べています。
次に、「思考のクセ」を変えることで「感情のクセ」を変えることができる、と説明しています。
つまり、感謝の心に気づくことで、幸福観が得られるのです。「他人と過去は変えられない、変えられるのは自分と未来だ」ということです。
そして「視座高く、視野広く、視点柔らかく」が大切です。そのうえで、「思考のクセ」を変えるには、次の2つの処方箋があります。
◆「あり方」を定める
◆「マジック」を探る
この本では、表面的に出ているのが「ウォンツ」で、その裏側にあるのが「ニーズ」、そして自分も気づいていないものが「ミラクル・アウェアネス」であり、それを探る手法を「ウォンツ、ニーズ、マジック!の法則」と呼んでいます。
一般的に経営戦略で説明されているのは逆で、表面に出ているのが「ニーズ」、その裏に隠れている潜在的な欲求を「ウォンツ」としています。
いずれにしても「お客様自身も気づいていない困りごと」を解決したり、「お客様自身が気づいていない欲求」を満たすことができれば、ビジネスを大きく伸ばすことができます。
「行動のクセ」に関しては、「その日にすることを4つだけ決める」という「マジカル4」の実践を提唱しています。
最後に「言葉のクセ」については、他のクセが変われば自然に変わってしまう、と著者は言います。すなわち、以下のように変わっていきます。
◆「できない」と言わなくなる
◆「限界言葉」がなくなる
◆ ネガティブワードがポジティブワードに変わる
◆ 他者を理解し、受容する言葉が増える
本書の締め括りとして、圧倒的に「選ばれる人」になるために、感情が思考に影響し、思考が行動と言葉に反映されるというふうにできている人間の特性を踏まえ、ポジティブの好循環にすることを提唱しています。
具体的には、次の2つの「思考のクセ」を実践することです。
◆ あり方を定め、「ウォンツ、ニーズ、マジック!」を探る
◆「視座高く、視野広く、視点柔らかく」という思考の土台を整える
さらに、以下の「ラーニングピラミッド」を紹介し、90%にまで高めることを提唱しています。
◆ 聞く(吸う)5%
◆ 読む(吸う)10%
◆ 見て覚える(吸う)20%
◆ みずから行う(吐く)30%
◆ 他者と対話(吸う~吐く)50%
◆ みずから体験したことを実践(吸う~吐く)75%
◆ 他の人に伝え、伝わる(吸う~吐く)90%
つまり、「学びの呼吸」として、インプットとアウトプットを繰り返すのです。
これらは、著者がこれまで「人材育成」として取り組んできた19年の集大成のような内容になっています。巻末には、10のエピソードが紹介されていて、それらを読むと具体的な進め方が理解できます。
キーワードは「コンフロント」(=人・物に立ち向かう、おびえずに直面する)です。本書では、次の意味に使っています。
「目の前に突然、偶然のように起こる出来事、物事から逃げず、主体的に直面することで問題を課題に変え、自分の限界を突破していく力」
あなたもこの本を読んで、圧倒的な成果が出る「コンフロント・メソッド」を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!