「海外の大学生に比べて、日本の大学生はあまり勉強しません。その大きな要因に、学業での成果は企業の採用選考ではあまり評価されないことがあります。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1959年生まれ、京都大学工学部卒業、リクルートで全国採用責任者として活躍後、アイジャスト創業、リンクアンドモチベーションと資本統合、同社取締役に就任、2011年NPO法人DSS設立、大学成績センター(現・履修データセンター)を設立し、同社代表取締役社長の辻太一朗さんと、1971年生まれ、京都大学教育学部教育心理学科卒業、リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務め、現在は人材研究所・代表取締役社長の曽和利光さんが書いた、子著らの書籍です。
辻太一朗・曽和利光『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(星海社新書)
この本は、GPA上位者の実情を知るために、単純なアンケート調査ではなく1人ひとりの考え・価値観・行動を人事・採用の視点から理解するために、84名の日本のGPAトップ大学生に個別ヒアリングを実施して、そのポイントを整理・分析した書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.GPA上位5% 84名に聞いてみました
2.インタビューでわかった共通の資質
3.なぜGPA上位5%に入ることができるのか?
4.大学の変化によってGPAの表す資質が変化した
5.GPA上位者の良さを見落としている企業の採用
6.GPAによって入社後のミスマッチも防げる
7.「就職力」を伸ばす 大学・授業の活かし方
8.GPAは採用基準で活用すべき
この本の冒頭で著者は、「本書では、以下のようなポイントを踏まえて実際に1人ひとりと面談して、その面談をもとに起業の人事の視点で展開していきます。」と述べています。
◆ 各大学でGPA上位5%の学生とはどのような学生なのか?
◆ なぜ企業にとっても魅力的なのか?
◆ GPA上位者のイメージがこの数年で変化したのはなぜなのか?
◆ GPA上位5%に入る学生はどのような行動をしているのか?
本書の前半では、「GPA上位5% 84名に聞いてみました」および「インタビューでわかった共通の資質」について、以下のポイントを説明しています。
◆ GPAとは、アメリカを中心に世界各国で普及している学生の成績評価を行う仕組み
◆ GPAは留学時の認定基準、奨学金の給付基準、ゼミや演習科目の選考基準として使用
◆ 私立大学文系学部に絞り、GPA上位5%の学生84名にインタビュー
◆ インタビューはZoomによる面談形式
◆ GPA上位5%の学生に共通する資質は、「サボリ癖がない」「やるべきことをやるべきタイミングでふつうにやる」
この本の中盤では、「なぜGPA上位5%に入ることができるのか?」および「大学の変化によってGPAの表す資質が変化した」について考察しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 目的を達成できる計画を立て、長期的に実行できる
◆ 知的好奇心の高さ、「学び」への期待の高さ
◆ 責任感、当事者意識の高さ
◆ 負けず嫌いで悔しいから
◆ 地頭が良くて人より時間がいらない
◆ 継続的に真面目に努力できる
◆ エネルギーレベルが高い
◆ もったいない、無駄にしたくない
◆ 大学のシラバス厳格化
◆ 授業の多様化、授業選択の自由化
◆ 評価の多様化、厳格化
◆ GPAとは「環境の捉え方」×「持続的行動」×「知的能力」
本書の後半では、「GPA上位者の良さを見落としている企業の採用」「GPAによって入社後のミスマッチも防げる」「就職力を伸ばす 大学・授業の活かし方」および「GPAは採用基準で活用すべき」について、著者の見解を紹介・解説しています。主なポイントは以下の通り。
◆ GPA上位者は、学業を自己PRや「ガクチカ」(=学生時代に力を入れたこと)で伝えない
◆ GPAや学業での行動に関心を持って採用面接で聞くべき
◆ 好きなことを頑張れるのは当然、好きでないことへの取り組み重要
◆ 具体的な目標を持つ、計画を立てる、効率を高める、興味ある分野を深め広げる
◆「地頭の良さ」は学業で鍛えることができる
この本の締めくくりとして著者は、さまざまな仕事がどんどん「知性化」していく中で、仕事と学業(=科学)はどんどん近づいてきている、と述べています。
あなたも本書を読んで、今後の就職活動においてスタンダードになるであろう理想的な採用基準「GPA]の仕組みと就活力を伸ばす方法を学び、子どもの教育や企業の採用に活かしていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2895日目】